子連れ避難の持ち物は?年齢別チェック表と防災士の備え方【2026年版】
子どもを連れて避難するときの持ち物を、防災士マモルが年齢別に整理しました。乳児・幼児・学童それぞれの持ち物チェック表、抱っこ紐で両手を空ける工夫、迷子対策、子どもの心のケア、避難所での配慮まで、今日からできる一歩をやさしくまとめます。
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「子どもを連れて逃げるとき、いったい何を持って出ればいいんだろう」。お子さんの寝顔を見ながら、ふとそんな不安がよぎったことはありませんか。
私は防災士で、二児の親です。子どもが小さかったころ、避難訓練のチラシを見て備えなければと思いつつ、何から手をつけていいか分からず、結局そのままにしていた時期がありました。子連れの避難は、持ち物が多く、しかも子どもの年齢によって必要なものが変わります。だからこそ、一度立ち止まって整理しておく価値があると感じています。
この記事では、子どもを連れて避難するときの持ち物を、脅すためではなく「今日からできる一歩」として、年齢別にまとめます。完璧を目指すと続きません。まずはおむつ一袋を防災袋に入れる、その小さな一歩から始めていきましょう。
なお、お子さんの薬・アレルギー・体調、そして液体ミルクを使ってよいかどうかといった判断は、この記事ではなく、かかりつけの小児科医・薬剤師・助産師さんにご相談いただくのが基本です。記事では一般的な備えの考え方をお伝えします。
最新確認日: 2026-06-27。乳幼児や子育て家庭への支援、避難所での配慮の内容は自治体によって異なります。お住まいの市区町村の防災情報で最新の内容を必ずご確認ください。
子連れの避難の持ち物は大人とどう違うのでしょうか?
子どもの避難の持ち物は、おむつやミルクなど年齢ごとの専用品が加わり、迷子対策や心のケアの備えも必要になる点が大人と大きく異なります。
大人だけの避難であれば、水や食料、最低限の衛生用品をそろえれば動けます。けれども子どもがいると、それに加えて、その子の年齢に合った専用の持ち物が要ります。乳児にはミルクとおむつ、幼児には着替えとおやつ、学童には連絡先や防寒。年齢が上がるにつれて必要なものは少しずつ変わっていきます。
さらに、子どもは自分で危険を避けにくく、はぐれてしまう心配もあります。そのため、持ち物そのものに加えて、迷子対策や、不安にさせない声かけといった「心と安全を守る備え」も大切になってきます。順番に見ていきましょう。
乳児(0〜1歳ごろ)の避難の持ち物には何が必要ですか?
液体ミルクや使い慣れたミルク、哺乳びん、おむつ、おしりふき、着替え、抱っこ紐などを、ふだんの分とは別に多めに用意しておくと安心です。
赤ちゃん用の物資は、避難所ですぐに手に入るとは限りません。災害時の乳幼児の栄養支援に関する公的な手引きでも、月齢の低い赤ちゃんほど専用の備えが大切だと示されています(出典は記事末尾に記載)。
液体ミルクは、お湯や清潔な水が手に入りにくい状況でも使いやすいとされ、備えとして広がってきました。ただし、お子さんに合うかどうか、与え方や量については、かかりつけの小児科医や助産師さんにあらかじめ確認しておくと安心です。哺乳びんが洗えない場面に備えて、使い捨ての哺乳用品を少し用意しておく方もいます。
抱っこ紐は、後の章でくわしくお伝えするとおり、両手を空けて避難するためにとても役立ちます。乳児の持ち物の中でも、優先して玄関近くに置いておきたいもののひとつです。
幼児(2〜5歳ごろ)の避難の持ち物には何が必要ですか?
着替えやおやつ、常備薬に加えて、お気に入りのおもちゃや絵本など、子どもが安心できるものを一緒に入れておくとよいでしょう。
幼児になると、おむつが外れる子も増え、自分で歩ける場面も出てきます。一方で、慣れない環境では不安が強くなりやすく、ぐずったり泣いたりすることもあります。そんなとき、ふだん使っているタオルやぬいぐるみ、小さな絵本があると、お子さんの気持ちが少し落ち着くことがあります。
おやつは、空腹をしのぐだけでなく、気持ちを和らげる助けにもなります。アレルギーのあるお子さんは、避難所の食事が合わないことも考えられるため、食べ慣れたものを多めに用意しておくと安心です。常備薬がある場合は、お薬手帳の写しと一緒にまとめておきましょう。薬の種類や量については、かかりつけの小児科医・薬剤師さんに相談してください。
着替えは、汗や汚れで体が冷えるのを防ぐために大切です。季節に合わせて、上下と下着を数組、圧縮袋などにまとめておくと、かさばらずに持ち運べます。
学童(小学生ごろ)の避難の持ち物には何が必要ですか?
連絡先を書いたカードや防寒具、簡単な常備薬、自分で使える水筒や軽食などを、本人のリュックに入れて持たせる備え方が役立ちます。
小学生になると、自分でリュックを背負い、ある程度のことは自分でできるようになります。だからこそ、ふだんから「自分の防災リュック」を用意し、中身を一緒に確認しておくと、いざというときに本人が動きやすくなります。
特に大切なのが、連絡先を書いたカードです。保護者の名前と電話番号、親せきなど別の連絡先、集合場所を書いておくと、はぐれてしまったときの助けになります。学校や登下校中に災害が起きることも考えられるため、ランドセルやリュックの内側にも入れておくと安心です。
防寒具は、季節を問わず一枚あると役立ちます。薄手のブランケットや使い捨てカイロ、レインコートなどは、寒さや雨から体を守ってくれます。子ども自身が開け閉めできる水筒や、食べ慣れた軽食も、本人のリュックに入れておくとよいでしょう。
年齢別の持ち物をまとめたチェック表はありますか?
以下に、乳児・幼児・学童の年齢別に、避難で持っておきたいものを整理しました。すべてを一度にそろえる必要はありません。できるところから埋めていきましょう。
下の表は一例です。お子さんの月齢や体調、アレルギーの有無によって必要なものは変わります。我が家に合わせて足し引きしてください。
年齢別 子連れ避難 持ち物チェック表
| 区分 | 乳児(0〜1歳ごろ) | 幼児(2〜5歳ごろ) | 学童(小学生ごろ) |
|---|---|---|---|
| 食・水 | 液体ミルク・使い慣れたミルク・哺乳びん | 食べ慣れたおやつ・飲み物 | 水筒・軽食 |
| 衛生 | おむつ・おしりふき・着替え | おむつ(必要な子)・着替え・おしりふき | 着替え・ティッシュ・マスク |
| 健康 | 母子健康手帳の写し・常備薬 | お薬手帳の写し・常備薬 | 常備薬・絆創膏 |
| 安心 | おくるみ・タオル | お気に入りのおもちゃや絵本 | 好きな本・小さな遊び道具 |
| 安全 | 抱っこ紐 | 迷子対策の連絡先カード・名札 | 連絡先カード・防寒具 |
| 共通 | 防寒具・ビニール袋・ウェットティッシュ | 防寒具・ビニール袋・ウェットティッシュ | レインコート・カイロ |
表に書ききれないものもあります。母子健康手帳やお薬手帳の写し、保険証の写しは、年齢を問わず用意しておくと、医療機関にかかるときに役立ちます。
避難するときは抱っこ紐とベビーカーのどちらがよいですか?
がれきや段差、階段の多い避難経路では、両手が空く抱っこ紐のほうが動きやすい場面が多いとされています。
災害時の道は、ふだんと様子が変わることがあります。建物や塀が崩れたり、地面に段差やひびができたり、人が一斉に動いて混み合ったりします。こうした場面では、ベビーカーは押しにくく、避けて通れない段差や階段で立ち往生してしまうことも考えられます。
抱っこ紐があると、子どもを胸やお腹で支えながら両手を空けられます。両手が空いていれば、転びそうなときに手をついたり、上の子の手を引いたりすることもできます。きょうだいを連れて避難する場合は、下の子を抱っこ紐で、上の子は手をつなぐという形が動きやすいことが多いとされています。
ベビーカーがまったく使えないわけではありません。在宅で過ごす場合や、道の状況が落ち着いてからの移動には役立つこともあります。状況に応じて使い分けられるよう、抱っこ紐を「すぐ手に取れる場所」に置いておくことをおすすめします。ふだんから使い慣れておくと、いざというときにあわてずにすみます。
子どもがはぐれないための迷子対策はありますか?
連絡先を書いたカードや名札を持たせ、はぐれたときの集合場所を家族で決めておくと、迷子になっても再会しやすくなります。
混乱した状況では、手をつないでいても、人の流れにのまれて一瞬で離れてしまうことがあります。そんなときに頼りになるのが、連絡先を書いたカードです。保護者の名前と電話番号、別の連絡先、住所などを書いて、子どもの服のポケットやリュックの内側に入れておきましょう。小さなお子さんには、名札を服の内側に縫いつけておく方もいます。
家族で「はぐれたらどこに集まるか」を決めておくことも大切です。自宅近くと、少し離れた場所の二か所を決めておくと、状況に応じて選べます。お子さんが分かる言葉で、ふだんから繰り返し伝えておくと、いざというときに思い出しやすくなります。
電話がつながりにくいときに備えて、災害用伝言ダイヤルなどの使い方を家族で確認しておくのもよいでしょう。小学生のお子さんとは、公衆電話の使い方を一緒に練習しておくと役立つことがあります。
子どもの心のケアや不安への声かけはどうすればよいですか?
子どもの不安に寄り添い、できるだけそばにいて、落ち着いた声でゆっくり話しかけることが、子どもの安心につながるとされています。
子どもは、まわりの大人の様子を敏感に感じ取ります。大人が不安そうにしていると、子どもも強く不安を感じやすくなります。完全に平静でいる必要はありませんが、できるだけ落ち着いた声で「大丈夫だよ、一緒にいるからね」と伝えることが、お子さんの安心につながります。
抱きしめる、手を握る、いつものわらべ歌を歌うなど、ふだんと同じやり取りも助けになります。お気に入りのおもちゃや絵本が手元にあると、気持ちが少し落ち着くこともあります。年齢が上のお子さんには、今の状況を分かる言葉で簡単に伝え、これからどうするのかを一緒に確認すると、不安がやわらぐことがあります。
避難後しばらくして、夜泣きが増えたり、甘えが強くなったりすることもあります。これは多くの子に見られる自然な反応とされています。気になる様子が続くときや、ぐったりするなど体調の変化があるときは、早めに小児科医や保健師さん、相談窓口に相談してください。発熱やけいれん、ぐったりして反応が乏しいといった異変があるときは、ためらわずに医療機関や119番に連絡しましょう。
避難所で子連れが過ごすときの配慮はありますか?
授乳やおむつ替えのスペースの有無を早めに確認し、泣いてもお互いさまと思える雰囲気の中で、無理をせず過ごすことが大切です。
避難所では、多くの人が同じ空間で過ごします。子どもが泣いたり動き回ったりすると、まわりに気をつかって、保護者の方が疲れてしまうことがあります。けれども、泣くのは子どもの自然な姿です。責められるべきものではありません。近年は、こうした子連れ家庭への配慮が広がりつつあり、福祉避難所や母子向けのスペースを設ける自治体も増えてきました。
避難所に着いたら、まず授乳やおむつ替えのできる場所、子ども連れが集まれるスペースがあるかを、運営の方に確認してみてください。ない場合でも、相談することで配慮してもらえることがあります。こうした支援の内容は自治体によって異なるため、ふだんからお住まいの市区町村の防災情報を確認しておくと安心です。
無理をしないことも大切です。一人で抱え込まず、まわりの方や支援者に助けを求めてください。同じ子育て中の家庭どうしで声をかけ合うと、気持ちが少し軽くなることもあります。
よくある質問
Q. 液体ミルクは備えておいたほうがよいですか。
A. お湯や清潔な水が手に入りにくい状況でも使いやすいとされ、備えとして広がってきました。ただし、お子さんに合うか、与え方や量については、かかりつけの小児科医や助産師さんに事前に相談しておくと安心です。賞味期限の確認も忘れずに行ってください。
Q. 子どもの薬やアレルギー対応はどう備えればよいですか。
A. 常備薬は、お薬手帳の写しと一緒にまとめておきましょう。種類や量、災害時の対応については、かかりつけの小児科医・薬剤師さんに相談してください。アレルギーのあるお子さんは、食べ慣れたものを多めに用意し、アレルギーの内容を書いたカードを持たせておくと、まわりの人にも伝わりやすくなります。
Q. きょうだいがいる場合、どう避難すればよいですか。
A. 下の子を抱っこ紐で支え、上の子と手をつなぐ形が動きやすいことが多いとされています。両手が空く抱っこ紐があると、上の子の手を引きながら避難しやすくなります。はぐれたときの集合場所を、家族みんなで事前に決めておきましょう。
Q. 持ち物が多すぎて、全部はそろえられません。
A. 一度にすべてをそろえる必要はありません。まずはおむつやミルクなど、避難所で手に入りにくいものから優先して用意しましょう。チェック表を見ながら、毎月ひとつずつ足していく方法でも十分です。無理のないペースで続けることが大切です。
Q. 避難所で子どもが泣いてしまうのが心配です。
A. 泣くのは子どもの自然な姿で、責められるべきものではありません。授乳やおむつ替えのスペース、子ども連れが集まれる場所があるかを運営の方に確認し、無理をせず過ごしてください。一人で抱え込まず、まわりや支援者に助けを求めることも大切です。
まとめ:今日からできる一歩から始めましょう
子連れの避難は、持ち物が多く、子どもの年齢によって必要なものが変わります。乳児にはミルクとおむつ、幼児には着替えとお気に入りのもの、学童には連絡先カードと防寒具。そして全年齢に共通して、両手を空ける抱っこ紐、迷子対策、心のケア、避難所での配慮が大切になります。
すべてを完璧にそろえようとすると、苦しくなってしまいます。まずはおむつ一袋、抱っこ紐ひとつを玄関近くに置く、そんな小さな一歩から始めてみてください。お子さんの薬や体調、液体ミルクの可否については、かかりつけの小児科医・薬剤師・助産師さんに相談しながら、我が家に合った備えを少しずつ整えていきましょう。
🛡 マモルの備えメモ
「いつかやろう」を「今日ひとつだけ」に変えるのが、いちばんの近道だと私は思っています。この記事を閉じたら、まずは防災袋におむつかミルクをひとつ入れてみませんか。あわせて、こちらの記事も参考にしてみてください。
免責事項
本記事は一般的な防災の備えに関する情報をまとめたものであり、医療上の判断を示すものではありません。お子さんの薬・アレルギー・体調、液体ミルクの可否など、健康に関わる事柄は、必ずかかりつけの小児科医・薬剤師・助産師さんにご相談ください。発熱やけいれん、ぐったりして反応が乏しいなどの異変があるときは、ためらわずに医療機関や119番にご連絡ください。避難所での支援や配慮の内容は自治体によって異なります。最新の情報はお住まいの市区町村の防災情報でご確認ください。