防災で子どもに必要なものは?年齢別の備えチェックリスト【防災士が解説】
子どもがいる家庭の防災で必要なものを防災士マモルが年齢別に解説。乳児の液体ミルク・おむつ、幼児の常備薬・おもちゃ、学童の連絡手段まで、避難時の持ち物・はぐれ対策・心のケアをチェック表付きでまとめます。
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小さい子どもがいると、防災について調べるたびに「うちの子に必要なものは足りているのかな」と不安になりますよね。私は防災士で、小学生と未就園児、二人の子どもの親です。下の子がまだ手のかかる時期なので、子連れの防災がいかに大人だけの備えと違うかを毎日実感しています。
この記事では、子どもがいる家庭の防災で本当に必要なものを、乳児・幼児・学童の年齢別に整理しました。避難するときの持ち物、子どもとはぐれないための対策、避難先での心のケアまで、私が家族と一緒に準備してきた範囲でお伝えします。
最初に一つだけお伝えします。この記事では、アレルギー対応食や薬、持病、体調管理といった医療の判断は扱いません。お子さんに合うミルクや食べ物、薬のことは、必ずかかりつけの小児科医や薬剤師に相談してください。私がお渡しするのは、その相談を「いざという時に動きやすくする」ための備えの部分だけです。緊急時は迷わず119番や医療機関に連絡してください。
防災で子どもに必要なものは大人と何が違いますか?
子どもは月齢や年齢で必要なものが大きく変わり、自分で身を守る力や我慢する力が未熟なため、専用の備えが欠かせません。大人用の備蓄だけでは足りない部分を補う発想が必要です。
大人なら数時間の空腹を我慢できますが、生後数か月の赤ちゃんはそうはいきません。おむつやミルクは代わりがきかず、避難所ですぐに手に入るとも限りません。内閣府と厚生労働省は2019年に、災害時のために液体ミルクや使い捨て哺乳びんなどを備えるよう全国の自治体へ要請する文書を出しています。それだけ、乳幼児の物資は命に直結すると公的にも位置づけられているということです(最新確認日 2026-06-27)。
さらに子どもは、避難という非日常の状況で強い不安を抱きます。大人が情報を集めて落ち着こうとしている間も、子どもは「いつもと違う」というだけで泣いたり眠れなくなったりします。だからこそ、物の備えと同じくらい、心を支える準備が大切になります。次の章から、年齢ごとに必要なものを具体的に見ていきます。
乳児(0〜1歳)の防災で必要なものは何ですか?
液体ミルクや使い捨て哺乳びん、おむつ、おしりふき、月齢に合った離乳食が中心になります。水や電気が使えなくても授乳と排泄のケアを続けられる備えが要です。
赤ちゃんは数時間おきにミルクと授乳、おむつ替えが必要です。災害で断水や停電が起きると、粉ミルクを溶かすお湯の確保が難しくなります。そこで役立つのが乳児用液体ミルクです。
液体ミルクと哺乳びんの備え
乳児用液体ミルク(乳児用調製液状乳)は、調乳済み・滅菌済みで、お湯がなくてもそのまま飲ませられます。常温で保存でき、災害時の備えとして内閣府の資料でも紹介されています。使い捨ての紙コップや使い捨て哺乳びんと組み合わせると、洗浄ができない状況でも与えやすくなります。
ただし、液体ミルクがお子さんの月齢や体調に合うかどうかは、私が判断できることではありません。普段から飲ませて問題ないか、アレルギーの心配はないかを含めて、かかりつけの小児科医や薬剤師に相談してから備えてください。普段使い慣れたものを少し多めに買い、使った分を補充するローリングストックにしておくと、賞味期限切れを防げます。
おむつ・おしりふき・衛生用品
おむつは1日に何枚も使うため、最低でも数日分を多めにストックしておきます。サイズはすぐに変わるので、季節の変わり目に見直すのがおすすめです。おしりふきは、おしり以外にも手や体を拭くのに使えて便利です。清浄綿やガーゼ、ビニール袋も用意しておくと、衛生面で困りにくくなります。
離乳食とスプーン
離乳食を始めている赤ちゃんには、月齢に合ったベビーフードを備えます。常温で食べられるタイプや、加熱なしで使えるものが避難時には向いています。スプーンや使い捨ての食器も忘れずに。新しい食材を災害時に初めて与えるのは避け、普段から食べ慣れたものを選んでおくと安心です。アレルギーが心配な食材については、事前に小児科医に相談しておきましょう。
幼児(1〜6歳)の防災で必要なものは何ですか?
着替えやおやつ、常備薬、そしてお気に入りのおもちゃが必要になります。体を守るものと、不安をやわらげるものの両方をそろえるのがポイントです。
幼児になると食べられるものは増えますが、避難所の食事が口に合わず食べてくれないことがあります。普段から食べ慣れたおやつや好きな食品を少し備えておくと、エネルギー補給と気持ちの安定の両方に役立ちます。
着替えは、汚れたり濡れたりしたときのために2〜3組あると安心です。動きやすく、体温調節しやすい服装を意識します。常備薬がある場合は、お薬手帳のコピーと一緒に持ち出せるようにしておきましょう。薬の種類や量については自己判断せず、かかりつけの小児科医や薬剤師に相談してください。
忘れがちですが、お気に入りのおもちゃやぬいぐるみ、絵本は防災グッズの一つです。慣れない避難所で子どもが落ち着くきっかけになります。小さくてかさばらないものを一つ、持ち出し袋に入れておくとよいでしょう。日本小児科医会も、子どもの心のケアの大切さを患者・家族向けに発信しています。
学童(小学生)の防災で必要なものは何ですか?
連絡手段の確認と、防犯のための備えが中心になります。子どもが一人のときに災害に遭っても、家族とつながり安全に行動できる準備が大切です。
小学生になると、学校や習い事で親と離れている時間が増えます。地震や災害がそのタイミングで起きることも十分にあり得ます。だからこそ、親と連絡を取り合う方法と、集合場所をあらかじめ決めておくことが欠かせません。
具体的には、家族の連絡先を書いたカードを持たせ、災害用伝言ダイヤル「171」の使い方を一緒に練習しておきます。携帯電話を持たせている家庭では、電池の減りにくい連絡手段を確認しておきましょう。防犯ブザーやホイッスルは、はぐれたときや助けを呼ぶときに役立ちます。学校や自治体が指定する避難場所、家族で決めた集合場所を、子ども自身が言えるようにしておくことも、立派な備えです。
年齢別に必要なものをまとめるとどうなりますか?
下のチェック表に、年齢ごとの必要なものを整理しました。お子さんの月齢や発達に合わせて、過不足を調整してください。
| 年齢区分 | 主な必要なもの | 備えのポイント |
|---|---|---|
| 乳児(0〜1歳) | 液体ミルク、使い捨て哺乳びん、おむつ、おしりふき、離乳食、スプーン、清浄綿 | 液体ミルクは小児科医・薬剤師に相談のうえ備える。ローリングストックで期限管理 |
| 幼児(1〜6歳) | 着替え2〜3組、食べ慣れたおやつ、常備薬、お気に入りのおもちゃ・絵本 | 常備薬は小児科医・薬剤師に相談。食材は普段慣れたものを選ぶ |
| 学童(小学生) | 連絡先カード、防犯ブザー、ホイッスル、171の練習、集合場所の確認 | 親が不在でも動けるよう、子ども自身に避難先を覚えてもらう |
| 全年齢共通 | 抱っこ紐、防寒具、母子健康手帳のコピー、家族写真、おむつ袋・ビニール袋 | 体温調節と移動手段、本人確認できる情報をセットで |
この表はあくまで目安です。お子さんによって必要なものは変わりますので、ご家庭の状況に合わせて足し引きしてください。
子連れで避難するときの持ち物で気をつけることは?
両手が空く抱っこ紐と、移動中に子どもを守る防寒・防暑の備えが重要です。荷物を背負って子どもを抱えられる状態を作ることが、安全な避難につながります。
小さな子どもを連れて避難するとき、ベビーカーは段差やがれきで使えないことがあります。抱っこ紐があれば両手が空き、荷物を持ったり手すりをつかんだりできます。私自身、下の子を抱っこ紐で抱えながら上の子と手をつなぐ練習を、家族の避難訓練として時々行っています。
防寒・防暑の備えも欠かせません。子どもは体温調節が未熟で、夏は熱中症、冬は低体温になりやすいといわれます。薄手のブランケットやレインコート、帽子を持ち出し袋に入れておくと、季節を問わず体温を守りやすくなります。避難先での持ち物については、子連れ避難の持ち物をまとめた記事もあわせて確認してみてください。
避難中に子どもの体調が急に悪くなったときは、無理に我慢させず、避難所のスタッフや救護班、医療機関に相談してください。緊急性が高いと感じたら、ためらわず119番に連絡しましょう。
子どもとはぐれないためにできる対策は何ですか?
連絡先カードや名札を子どもに持たせ、家族で集合場所を決めておくことが基本です。万が一はぐれても、子どもの身元と連絡先がすぐ分かる状態にしておきます。
混乱した避難の中で、子どもと離ればなれになる事態は誰にでも起こり得ます。そなえとして、次のことを家族で決めておきましょう。
まず、子どもの名前・保護者の連絡先・かかりつけ医・アレルギーの有無などを書いた連絡先カードを用意します。服の内側や持ち物に名札を付けておくのも有効です。ただし、名前が外から見えすぎると防犯上のリスクもあるため、見える位置と見えない位置を使い分けると安心です。
次に、家族で集合場所を二つ決めておきます。一つは自宅近く、もう一つは離れた場所の広域避難場所です。災害用伝言ダイヤル「171」や災害用伝言板の使い方も、家族みんなで共有しておきましょう。内閣府の防災情報でも、家族で連絡方法と集合場所を事前に決めておくことが繰り返し呼びかけられています。
避難先で子どもの心をケアするにはどうすればよいですか?
普段どおりの声かけとスキンシップを増やし、子どものペースに寄り添うことが大切です。完璧に対応しようとせず、安心できる時間を少しずつ作っていきます。
避難所のような慣れない環境では、子どもが急に甘えたり、夜泣きが増えたり、いつもできていたことができなくなったりすることがあります。これは異常なことではなく、不安への自然な反応だといわれています。叱るのではなく、まず抱きしめて「大丈夫だよ」と伝えることが、子どもの安心につながります。
お気に入りのおもちゃや絵本があれば、いつもの遊びを少しでも再現してあげましょう。日本小児科医会は、災害時の子どものストレス反応とその支え方について、保護者向けに情報を発信しています。気になる様子が続くときは、避難所の保健師や小児科医に相談してください。
そして、子どもを支える親自身の休息も大切です。親が倒れてしまっては子どもを守れません。周りの大人と協力し、少しでも体を休める時間を作ってください。
防災で子どもに必要なものはいつ準備すればよいですか?
思い立った今日から、できるところを少しずつ始めるのが一番です。完璧にそろえようとせず、まず一つ用意することから始めましょう。
防災の準備は、つい後回しになりがちです。でも、災害はこちらの都合を待ってくれません。今日できるのは、液体ミルクを一つ買い足す、おむつを多めにストックする、子どもと集合場所を話し合う、そんな小さな一歩で十分です。
私も最初から完璧な備えができていたわけではありません。子どもの成長に合わせて、少しずつ中身を入れ替えながら整えてきました。年に1〜2回、子どもの月齢や体格に合わせて持ち出し袋を見直す習慣をつけると、無理なく続けられます。災害時の備蓄の回し方は、ローリングストックの記事もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 液体ミルクは粉ミルクの代わりに常備しても大丈夫ですか?
お子さんの月齢や体調に合うかどうかは、かかりつけの小児科医や薬剤師に相談してください。液体ミルクはお湯がなくても飲ませられる利点があり、内閣府の資料でも災害時の備えとして紹介されています。普段から飲ませて問題ないか確認したうえで、ローリングストックで備えると安心です。
Q. 子どもの防災グッズは何日分そろえればよいですか?
公的な支援が届くまで時間がかかることを想定し、最低3日分、できれば1週間分を目安にする考え方が公的機関でも示されています。特におむつや離乳食、ミルクは代わりがきかないため、大人の分より多めに見積もっておくと安心です。お子さんの月齢に合わせて量を調整してください。
Q. アレルギーがある子どもの食料はどう備えればよいですか?
避難所で配られる食料がお子さんのアレルギーに合うとは限らないため、普段食べ慣れたアレルギー対応食を多めに備えておきましょう。具体的にどの食品を備えるべきかは、かかりつけの小児科医や管理栄養士に相談してください。アレルギーの内容を書いたカードを持たせておくと、周囲に伝わりやすくなります。
Q. 子どもがはぐれたときに備えて何を持たせればよいですか?
連絡先カードや名札、防犯ブザー、ホイッスルが役立ちます。名前と保護者の連絡先、かかりつけ医、アレルギーの有無を書いたカードを持ち物に入れておきましょう。あわせて、家族で集合場所と災害用伝言ダイヤル「171」の使い方を共有しておくことをおすすめします。
Q. 避難所で子どもが泣き止まないときはどうすればよいですか?
まず抱きしめて安心させ、お気に入りのおもちゃや絵本でいつもの時間を作ってあげてください。慣れない環境での不安は自然な反応です。眠れない・食べられないなどの様子が続くときは、避難所の保健師や小児科医に相談しましょう。緊急性を感じたら119番に連絡してください。
まとめ
子どもがいる家庭の防災は、年齢によって必要なものが大きく変わります。乳児は液体ミルクやおむつ、幼児は着替えや常備薬とおもちゃ、学童は連絡手段と防犯。そこに抱っこ紐や防寒具、はぐれ対策、心のケアを加えると、ぐっと安心して動ける備えになります。
医療や健康に関わる判断は、必ずかかりつけの小児科医や薬剤師に相談してください。私がお伝えできるのは、その相談と備えを動きやすくするための準備までです。まずは今日、一つだけでも備えを足してみましょう。
🛡 マモルの備えメモ
防災は、家族のペースで少しずつ整えれば大丈夫です。私も二人の子どもの成長に合わせて、毎年中身を見直しています。「これだけやれば絶対安心」というものはありませんが、今日の一歩が、いざという時の落ち着きにつながります。お子さんの月齢や体調に合った備えは、かかりつけの小児科医や薬剤師に相談しながら、無理なく続けていきましょう。
※本記事は2026-06-27時点の公的情報をもとに、防災の一般的な備えを紹介するものです。お子さんの健康・医療・栄養に関する判断は、必ずかかりつけの小児科医・薬剤師・管理栄養士にご相談ください。緊急時は119番または医療機関に連絡してください。制度や物資の運用は災害の規模・地域・時期により異なるため、最新の情報は各自治体・公的機関の案内をご確認ください。