余震はいつまで続く?大地震後の対策と注意点を防災士が解説
大きな地震のあと、余震がいつまで続くのか不安な方へ。防災士マモルが、注意すべき期間の目安、傷んだ建物への対応、家具の再固定、心のケアまで、今日からできる備えをやさしく解説します。
大きな地震を経験したあと、揺れがおさまっても「またすぐ揺れるのではないか」と気が休まらない。そんな夜を過ごしている方は少なくないと思います。私自身も防災士として、地震後に「余震はいつまで続くのですか」「最初と同じくらい揺れることはありますか」と相談を受けることがとても多いです。
最初にお伝えしたいのは、不安に感じるのは自然なことだということです。そのうえで、揺れが続く期間の目安や、この数日でできる具体的な対策を知っておくと、気持ちの持ちようも、行動も変わってきます。この記事では、防災士であり二児の親でもある私が、煽らず脅さず「今日からできる一歩」をお伝えします。
なお、地震活動の見通しや回数は正確に予測できるものではありません。ここでお伝えする期間はあくまで目安として読み進めてください。
余震が続く期間の目安はどれくらいですか?
大地震のあと、揺れがしばらく続くのは一般的なことです。期間の目安は数日から数週間、活動が活発な場合は数か月にわたって続くこともあります。ただし、これは地震によって大きく異なり、はっきりと「何日でおさまる」と決めることはできません。
気象庁は、大地震のあとに同じ程度の地震に注意するよう、おおむね1週間程度を目安に呼びかけることを基本としています。特に揺れの直後、最初の2〜3日ほどは規模の大きな地震が起こりやすいとされ、注意が必要な時期と考えられています。
私がお伝えしたいのは、「1週間を過ぎたから安全」という意味ではないということです。揺れが落ち着いてきても、備えを解いてしまわず、しばらくは身のまわりの安全を意識して過ごしていただきたいと思います。回数や規模を言い当てることはできませんから、「いつ揺れても困らない状態」を保っておくことが現実的な備えになります。
余震という言葉が使われなくなったのはなぜですか?
近年、気象庁は「余震」という言葉を以前ほど使わなくなりました。これには理由があります。「余震」と呼ぶと、最初の地震より必ず小さい揺れだという印象を与えてしまい、油断につながる恐れがあるからです。
実際には、最初の地震のあとに、それと同じ程度、あるいはそれを上回る規模の地震が起こることもあります。過去にも、最初の大きな揺れのあと、さらに大きな地震が発生した例があります。そのため気象庁は、「余震」ではなく「最初の地震と同程度の地震に注意してください」という伝え方をするようになりました。
この記事ではわかりやすさのために「余震」という言葉も使っていますが、頭の片隅には「最初と同じくらい揺れるかもしれない」という前提を置いておいてください。小さな揺れだろうと決めつけないことが、身を守る第一歩になります。
余震で特に気をつけることは何ですか?
最も気をつけていただきたいのは、傷んだ建物です。一度大きな揺れを受けた建物は、見た目には大丈夫そうでも、内部にダメージが残っていることがあります。その状態で次の揺れが来ると、最初の地震では耐えた建物が倒れてしまう恐れがあります。
壁に大きなひびが入っている、柱や床が傾いている、ドアや窓の開け閉めがしにくくなっている。こうした変化が見られる建物には、自己判断で立ち入らないでください。危険を感じたら無理に入らず、自治体や専門家に相談することが大切です。
地域によっては、地震のあとに「応急危険度判定」が行われ、建物に立ち入ってよいかどうかの目安が示されることがあります。建物の入り口に貼られた判定の表示や、自治体からの案内を確認してください。判断に迷うときは、ご自身だけで決めず、専門家の目を頼ってください。
下の表に、余震に備えて確認しておきたいポイントをまとめました。
| 確認する場所 | 見るポイント | 危ないと感じたときの対応 |
|---|---|---|
| 建物全体 | 壁の大きなひび、柱や床の傾き、ドアの開閉のしにくさ | 立ち入らず、自治体や専門家へ相談する |
| 天井・照明 | 落ちかけている照明器具、天井材のはがれ | 真下を避ける、電源を切れる場合は切る |
| 家具・棚 | 固定が外れていないか、倒れかけていないか | 近づかず、落ち着いてから固定し直す |
| 高い場所の物 | 棚の上、冷蔵庫の上などに重い物がないか | 低い位置へ移す、片付ける |
| 避難経路 | 玄関や廊下に物が散乱していないか | 通り道を確保し、靴を手元に置く |
| ガラスまわり | 割れたガラスが床に残っていないか | スリッパや靴を履いて片付ける |
余震に備えて家の中をどう整えればよいですか?
最初の揺れで家具がずれたり、固定が外れたりしていることがあります。次の揺れに備えて、できる範囲で家の中を整えておきましょう。ただし、無理は禁物です。揺れが続いている間の片付けは、状況が落ち着いてから、安全を確かめながら少しずつ進めてください。
まず確認したいのが家具の固定です。背の高い家具や冷蔵庫、テレビなどは、突っ張り棒や金具で固定し直しておくと安心感が違います。固定の具体的な方法は、家具の固定についてもあわせて参考にしてください。
次に、落ちてくる物の片付けです。棚の上や冷蔵庫の上に置いた重い物は、低い場所へ移しておきましょう。割れたガラスや陶器が床に残っている場合は、靴やスリッパを履いて、軍手をつけて片付けてください。素足で歩くとけがのもとになります。
そして、避難経路の確保です。玄関までの通り道に物が散らばっていないか、ドアが問題なく開くかを確認しておきましょう。停電に備えて、懐中電灯やスマートフォンを手の届くところに置いておくこともおすすめします。寝るときは、枕元に靴やスリッパ、懐中電灯を用意しておくと、暗い中で揺れても足元を守れます。
余震が起きたときはどう行動すればよいですか?
揺れを感じたら、まずは身の安全を第一に考えてください。やるべきことはシンプルで、頭を守って、低い姿勢で、丈夫な机の下などにもぐることです。あわてて外に飛び出すと、かえって落下物やガラスでけがをすることがあります。
机の下にもぐったら、机の脚をしっかり持って、揺れがおさまるまで待ちます。近くに机がないときは、クッションやかばんで頭を守り、窓ガラスや背の高い家具から離れた場所で、姿勢を低く保ってください。揺れている最中に火を消そうと無理に動くと危険ですので、まずは自分の身を守ることを優先してください。
揺れがおさまったら、火元やドアの確認をします。ガスを使っていた場合は火を止め、出口を確保するためにドアを開けておくと、建物がゆがんで閉じ込められるのを防ぎやすくなります。地震のときの基本の動きは揺れたときの行動で詳しくまとめていますので、家族みんなで共有しておいてください。
もしけがをしてしまったときは、ためらわず119番に連絡してください。出血がひどい、動けない、意識がはっきりしないといったときは、応急手当てをしながら救助を求めることが大切です。
余震が続くとき情報はどこで確認すればよいですか?
地震が続いているときは、確かな情報を落ち着いて集めることが大切です。うわさや出どころのわからない情報に振り回されないためにも、公的な発信元を確認するようにしてください。
地震情報や今後の見通しは、気象庁が発表しています。揺れの規模や震源、今後の地震活動の見通しについて、信頼できる情報が得られます。気象庁は大地震のあとの注意の呼びかけも行いますので、まずはここを基準にしてください。あわせて、お住まいの自治体からの案内も大切です。避難所の開設状況や、危険な場所の情報、生活支援の案内、応急危険度判定の結果などが届きます。
火災や救助が必要なときの119番は消防の窓口です。消防庁や内閣府防災のサイトでも、地震後にとるべき行動の指針や、家庭でできる備えの情報がまとめられています。たとえば内閣府防災は家庭の備えや避難の考え方を、消防庁は地震時の身の安全の守り方や火の始末について発信しています。これらの公的な情報は、出どころがはっきりしているぶん、落ち着いて判断する助けになります。
情報を集める手段も整えておきましょう。スマートフォンが使える場合は、自治体の防災メールや防災アプリに登録しておくと、必要な情報が手元に届きやすくなります。停電や通信障害でインターネットがつながりにくくなることもありますから、電池や手回しで使えるラジオを一つ用意しておくと、いざというときに情報を受け取りやすくなります。
情報を集めるときは、複数の公的な情報源を見比べることをおすすめします。一つの情報だけで判断せず、気象庁・自治体・消防庁・内閣府防災といった出どころのはっきりした発信を基準にしてください。不確かな情報をうのみにして動くと、かえって危険な場所へ向かってしまうこともあります。
余震への不安が続くときの心のケアはどうすればよいですか?
地震が続くと、体だけでなく心も疲れてきます。眠れない、ちょっとした音にびくっとしてしまう、気持ちが落ち着かない。こうした反応は、大きな出来事のあとに起こる自然なものです。「自分が弱いからだ」と思う必要はありません。
私が大切にしているのは、無理をしないことです。できるだけいつもどおりの食事や睡眠を心がけ、温かい飲み物をとったり、信頼できる人と話したりするだけでも、気持ちは少し軽くなります。情報を追いすぎてかえって疲れてしまうこともありますから、地震の映像や速報をずっと見続けないよう、意識して休む時間をつくることも大切です。お子さんがいるご家庭では、子どもは大人以上に不安を感じやすいので、できるだけそばにいて、安心できる声をかけてあげてください。抱きしめる、手をつなぐといった、ささやかなふれあいも子どもの安心につながります。
つらい気持ちが何日も続く、眠れない日が重なる、食欲がわかない状態が長引くといったときは、我慢せずに相談してください。自治体の保健窓口や、こころの健康に関する相談窓口、医療機関を頼ることは、決して特別なことではありません。体の手当てと同じように、心の手当ても必要な備えの一つだと私は考えています。
家族で余震に備えるために決めておくことは何ですか?
地震は、家族がそろっているときに起こるとは限りません。だからこそ、落ち着いている今のうちに、家族で話し合っておくことが大きな備えになります。
決めておきたいのは、連絡の取り方と集まる場所です。電話がつながりにくいときに備えて、災害用伝言サービスの使い方を家族で確認しておきましょう。離れた場所にいる場合に、どこで落ち合うか、誰がどこへ連絡するかを決めておくと、いざというときに動きやすくなります。
子どもや高齢の家族、ペットがいるご家庭では、それぞれの避難の方法も話し合っておきたいところです。誰が誰を手助けするのか、必要な薬や持ち出す物は何かを、紙に書いて見えるところに貼っておくと安心です。
そして、家族みんなで「揺れたら頭を守る」という基本の動きを共有しておいてください。言葉で確認するだけでなく、実際に机の下にもぐってみる練習をしておくと、いざというときに体が動きます。備えは一度きりで終わりではなく、ときどき見直していくものだと考えていただければと思います。
よくある質問
Q. 余震はいつまで続きますか?
A. 期間は地震によって大きく異なり、数日から数週間、活発な場合は数か月続くこともあります。気象庁は大地震のあと、おおむね1週間程度を目安に同程度の地震への注意を呼びかけることを基本としています。あくまで目安であり、回数や規模を正確に予測することはできません。
Q. 最初の地震より大きい揺れが来ることはありますか?
A. 可能性はあります。最初の地震と同じ程度、またはそれを上回る規模の地震が起こることもあるため、気象庁は「最初の地震と同程度の地震に注意」と呼びかけています。小さい揺れだと決めつけず、備えを続けてください。
Q. 一度大きく揺れた家にそのまま住んでも大丈夫ですか?
A. 自己判断は避けてください。壁の大きなひびや、柱や床の傾き、ドアの開閉のしにくさがある建物は、次の揺れで倒れる恐れがあります。危険を感じたら立ち入らず、自治体の応急危険度判定や専門家の確認を頼ってください。
Q. 余震が起きたとき、まず何をすればよいですか?
A. 頭を守り、低い姿勢で丈夫な机の下などに入ってください。あわてて外に出ると落下物でけがをすることがあります。揺れがおさまってから、火元やドア、避難経路を確認しましょう。けがをしたときは119番に連絡してください。
Q. 不安で眠れない日が続いています。どうすればよいですか?
A. 大きな地震のあとに眠れなくなるのは自然な反応です。無理をせず、いつもどおりの生活を心がけ、信頼できる人と話してみてください。つらさが何日も続くときは、自治体の相談窓口やこころの健康に関する窓口、医療機関に相談してください。
まとめ
大きな地震のあと、余震が続く期間の目安は数日から数週間、活発な場合は数か月に及ぶこともあります。気象庁はおおむね1週間程度を目安に、最初の地震と同程度の地震への注意を呼びかけています。回数や規模は予測できませんから、「いつ揺れても困らない状態」を保っておくことが現実的な備えです。
傷んだ建物には立ち入らず、危険を感じたら自治体や専門家に相談する。家具を固定し直し、避難経路を確保する。揺れたら頭を守る。そして、心の不調が続くときは相談窓口を頼る。どれも、今日から少しずつ進められることばかりです。一つずつ整えていきましょう。
🛡 マモルの備えメモ
不安なときは、一度にすべてを完璧にしようとしなくて大丈夫です。今夜できるのは、枕元に靴と懐中電灯を置くことだけでも十分な一歩です。私も家族と一緒に、少しずつ備えを続けています。気になったところから、一緒に整えていきましょう。
【免責事項】本記事は2026-06-27時点の公的情報をもとに、防災の一般的な知識をまとめたものです。地震活動の見通しや余震の回数・規模は正確に予測できるものではなく、状況は地震によって異なります。建物の安全や避難の判断は、気象庁・自治体・専門家の最新の情報や指示に従ってください。けがなど緊急時は119番へ、心身の不調が続く場合は相談窓口や医療機関にご相談ください。