🛡防災の備えメモ

台風前のベランダ対策|片付けの手順とやってはいけないこと【2026年版】

台風が近づく前にベランダで何をするか、防災士が手順で解説します。飛ばされそうな物を室内へ、排水口の掃除、避難経路の確保まで。強風時はベランダに出ない理由も。

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台風が近づくと、ベランダに置いたままの植木鉢やサンダルが気になりませんか。私は防災士として活動しながら、二人の子どもを育てる親でもあります。マンションのベランダに何気なく置いている物が、強い風で飛ばされて人やガラスを傷つける道具に変わってしまう。これは決して大げさな話ではありません。

この記事では、台風が来る前にベランダで何をすればよいのかを、順番に沿ってまとめました。難しい工事や高い道具は必要ありません。今日から手を動かせる、ひとつずつの備えをお伝えします。

なお、本記事は2026-06-27時点の公的機関の情報をもとに整理しています。台風が接近している最中は、気象庁や自治体が出す最新の防災気象情報をあわせてご確認ください。

台風が来る前にベランダで何をすればいいの?

やることは大きく3つです。飛ばされそうな物を室内へしまうこと、排水口のゴミを取り除くこと、避難経路をふさがないことです。

ベランダは住まいの中でも外気にもっとも近い場所で、強風の影響を直接受けます。気象庁も、風で飛ばされそうな物は固定するか家の中へしまうよう呼びかけています。普段は気にならない物干し竿やサンダルでも、暴風のなかでは思わぬ方向へ飛んでいくことがあります。

作業は、風が強まる前、できれば台風の前日までに終えておくことをおすすめします。風が出てきてから慌ててベランダに出るのは、後ほど説明するとおり大変危険です。落ち着いて準備できるうちに、ひとつずつ片付けておきましょう。

ベランダで飛ばされやすい物は何ですか?

軽くて持ち手や面積のある物が飛ばされやすく、代表的なのは植木鉢・物干し竿・サンダル・ゴミ箱です。

風は、物の重さよりも「風を受ける面の大きさ」に強く影響します。一見重そうな植木鉢でも、葉が茂った観葉植物は風をはらんで倒れたり落ちたりします。次のような物は、台風が来る前に室内へ移すか、しっかり固定しておきたいものです。

  • 植木鉢・プランター・園芸用の土の袋
  • 物干し竿・物干しハンガー・洗濯ばさみ
  • サンダル・スリッパなどの履き物
  • ゴミ箱・バケツ・じょうろ
  • すだれ・よしず・日よけシート
  • 折りたたみ椅子・小型のテーブル

特に物干し竿は長くて重さもあり、落下すれば下の階や通行人に当たる恐れがあります。竿受けから外して床に寝かせるか、室内に取り込んでおくと安心の度合いが高まります。洗濯ばさみのような小さな物も、数が多いと飛び散って排水口を詰まらせる原因になります。細かい物まで一度に片付けておきましょう。

私自身、以前は「これくらい大丈夫だろう」とサンダルを置いたままにしていました。けれど台風が過ぎたあと、それが見当たらなくなっていたことがあります。どこへ飛んでいったのか分かりませんでした。たまたま誰にも当たらなかっただけで、もし下に人がいたらと思うと、いまでもひやりとします。それ以来、軽い物ほど早めにしまうようにしています。

判断に迷ったときの目安は「片手で持ち上げられて、風を受ける面がある物かどうか」です。当てはまる物は、ひとまず室内へ移すと考えておくと迷いが減ります。すだれやよしずのように面の大きい物は、たとえ重みがあっても風をはらんで思わぬ動きをするので、外したうえで取り込んでおくと安心の度合いが高まります。

ベランダの片付けはどんな手順で進めればいい?

「室内へ移す物」「固定する物」「掃除する場所」の順に、リストで確認しながら進めると抜けが減ります。

下のチェック表を使って、ご自宅のベランダを見回してみてください。すべてを一度にやろうとせず、上から順に手を付けると落ち着いて進められます。

台風前ベランダ対策チェック表

区分 確認する物・場所 やること 目安のタイミング
室内へ移す 植木鉢・サンダル・ゴミ箱・洗濯ばさみ 家の中へ取り込む 前日までに
室内へ移す 物干し竿・物干しハンガー 取り込む、または床に寝かせる 前日までに
室内へ移す すだれ・よしず・日よけ 外して取り込む 前日までに
固定する 動かせない大型プランター ひもや結束で固定し、低い位置へ 前日までに
固定する エアコン室外機 設置のぐらつきを確認する 数日前まで
掃除する 排水口・排水溝 落ち葉やゴミを取り除く 前日までに
確保する 隔て板・避難ハッチ 物を置かず通れる状態にする 前日までに

このうち、どうしても動かせない大きなプランターなどは、ひもや結束バンドで手すりや壁面に固定し、できるだけ低い位置に下ろしておくと風の影響を受けにくくなる傾向があります。固定が不十分だと感じる物は、無理をせず室内へ移すほうが安全につながります。

ベランダの排水口はなぜ掃除するの?

排水口が落ち葉やゴミで詰まると、ベランダに雨水がたまり、室内へ流れ込むことがあるためです。

台風のときは短い時間に大量の雨が降ります。内閣府防災や首相官邸の防災情報でも、雨どいや排水溝のゴミを取り除いて水はけを良くしておくことが、風水害への備えとして挙げられています。ベランダの排水口がふさがれていると、降った雨の行き場がなくなり、水位が上がって掃き出し窓のサッシを越えて室内に入ってくる場合があります。

落ち葉、砂ぼこり、飛んできたビニール、髪の毛や糸くずなどが排水口の周りにたまりやすいので、台風が来る前に取り除いておきましょう。排水口にかぶせるネットやカバーがあると、ゴミがたまりにくくなることがありますが、製品によって効果は異なります。まずは手元のほうきやブラシで、目に見えるゴミを取り去るだけでも詰まりを減らせます。

私の家では、台風シーズンの前に一度ベランダ全体を掃除することにしています。普段は気づかないのですが、エアコンの室外機の裏や、植木鉢を置いていた場所の下に、思いのほか落ち葉や砂がたまっています。物を片付けたあとにそうした隅まで掃いておくと、いざ雨が降ったときの水の流れがよくなります。

排水口が一か所しかないベランダでは、そこが詰まると逃げ場がなくなります。雨が強くなる前に、水が問題なく流れるかを軽く水を流して確かめておくと、当日の不安が減ります。掃除のときは、流したゴミがそのまま排水口へ向かわないよう、先にゴミを集めて取り除いてから水を流す順番にすると、かえって詰まらせずに済みます。

エアコンの室外機は台風で大丈夫?

多くの室外機は据え置きで重さがありますが、設置のぐらつきや周囲の飛来物には注意が必要です。

室外機そのものが風で飛ぶことは多くありませんが、固定する脚がぐらついていたり、置き台が古くなっていると安定しないことがあります。台風が近づく前に、ぐらつきがないかを軽く確認しておきましょう。気になる場合は、無理に自分で動かそうとせず、設置した業者や管理会社に相談するのが安全です。

また、室外機の近くに植木鉢や物を置いていると、それらが飛ばされて室外機に当たり、変形や故障につながることがあります。室外機の周りは物を片付けて、すっきりさせておくとよいでしょう。運転は台風の最中も無理のない範囲で通常どおり使えますが、不安があれば運転を控えるという選び方もあります。

ベランダの避難経路はふさいでいませんか?

集合住宅のベランダには、隣との隔て板や床の避難ハッチがあり、いざというときの避難経路になります。物でふさがないことが大切です。

マンションやアパートのベランダの間仕切り(隔て板)は、火災や災害のときに蹴り破って隣へ逃げるための板です。その前に物干し台や大きな荷物を置いていると、避難の妨げになります。また、床に避難ハッチがある場合、その上に物を載せているとふたが開けられません。

台風対策で物を片付けるこの機会に、隔て板の前と避難ハッチの上には何も置かない状態を保ちましょう。ベランダを物置のように使っていると、こうした安全のための設備が見えなくなりがちです。普段からスペースを空けておくことが、台風以外の災害でも身を守ることにつながります。

台風の最中にベランダに出てもいいの?

台風の最中や強風時は、ベランダに出ないでください。飛来物に当たったり、強風であおられて転落したりする危険があります。

これはこの記事でもっともお伝えしたいことです。気象庁や首相官邸の防災情報では、暴風警報が出るような強い風のときは、立っているのもやっとで、飛んできた物に当たってけがをする恐れがあるため、不要な外出を避けて屋内にとどまるよう示されています。ベランダも例外ではありません。

「物干し竿を取り込み忘れた」「植木鉢が倒れそう」と気になっても、風が強まってからは外に出ないでください。手すり越しの作業はバランスを崩しやすく、高所からの転落につながる恐れがあります。片付けは風が強まる前に終えておく。これが何より安全です。台風が過ぎて風がおさまってから、落ち着いて後片付けをしましょう。万一けがをした場合は、ためらわず119番に連絡してください。

風で物が動く音や、何かがぶつかる音がすると、つい確かめに行きたくなります。私も親として、子どもが「外の音が怖い」と言うと落ち着かなくなります。それでも、いったん外に出てしまうと、ドアが風で勢いよく閉まって指をはさんだり、開けた窓から飛来物が入ってきたりと、別の危険が生まれます。気になる物があっても、過ぎ去るのを待つのがいちばん確実です。

どうしても気持ちが落ち着かないときは、カーテンを閉めて窓から離れた部屋で過ごす、ラジオやアプリで台風の進み具合を確認するなど、屋内でできることに気持ちを向けてみてください。飛んでいった物は、風がおさまってから対応すれば間に合います。物より、ご自身とご家族の安全を優先する。この順番を忘れないでいただきたいと思います。

ベランダ対策はいつまでに終えればいい?

風が強まる前、できれば台風の前日までに終えるのが基本です。

台風は予報よりも早く風が強まることがあります。テレビやアプリで進路や暴風域に入る時間を確認し、その前に余裕をもって片付けを済ませておきましょう。直前になると、買い出しや窓の養生など、ほかにもやることが重なります。ベランダの片付けは天気が穏やかなうちに終わらせておくと、当日の慌ただしさを減らせます。

窓ガラスへの飛散防止の対策については、別の記事でくわしく扱っています。あわせて読んでおくと、台風前にやることの全体像がつかみやすくなります。

よくある質問

Q. 賃貸のベランダでも台風対策をしていいですか。
A. 自分の荷物を室内へ移したり、排水口のゴミを取り除いたりする範囲であれば問題になりにくいです。ただし建物に穴を開ける、固定具を取り付けるといった作業は、管理会社や大家さんへの確認をおすすめします。判断に迷うときは、まず物を室内へしまうことから始めてください。

Q. 物干し竿が重くて室内に取り込めません。どうすればいいですか。
A. 取り込めない場合は、竿受けから外して床に寝かせ、転がらないようひもで手すりに結んでおくと、飛ばされにくくなる傾向があります。作業は風が強まる前に行い、危険を感じたら無理をしないでください。

Q. 排水口にかぶせるネットを買えば掃除しなくていいですか。
A. ネットでゴミの侵入をある程度減らせることはありますが、効果は製品によって異なります。台風前には、ネットの有無にかかわらず、目に見えるゴミを取り除いておくと詰まりを減らせます。過信せず、自分の目で確認することが大切です。

Q. 高層階のベランダのほうが風の対策は必要ですか。
A. 一般に高い階ほど風が強まりやすいとされますが、低い階でも飛来物の危険はあります。階数にかかわらず、飛ばされそうな物は室内へ移す対応をおすすめします。

Q. 台風が過ぎた後、すぐにベランダを片付けてもいいですか。
A. 風が完全におさまり、安全が確認できてからにしてください。台風が遠ざかっても風が残っていることがあります。割れたガラスや飛んできた物が落ちている場合もあるため、足元に気をつけ、手袋を使うなどして片付けましょう。

まとめ

台風前のベランダ対策は、飛ばされそうな物を室内へしまう、排水口のゴミを取り除く、避難経路をふさがない、この3つが柱です。そして何より、強風のときはベランダに出ないこと。片付けは風が強まる前、前日までに終えておきましょう。

完璧を目指す必要はありません。まずは植木鉢ひとつ、サンダル一足を室内に入れるところから。小さな一歩の積み重ねが、台風の日のご自身とご家族を守ることにつながります。

🛡 マモルの備えメモ

私はいつも、台風の予報を見たらその日のうちにベランダを見回すようにしています。「あとでやろう」が一番危ない。気づいたときに手を動かす。これだけで当日の不安がぐっと減ります。今日、ご自宅のベランダをひと回りしてみませんか。


免責事項:本記事は2026-06-27時点の公的機関の情報をもとに、一般的な備えとして整理したものです。気象状況や住まいの構造によって適切な対応は異なります。台風接近時は気象庁・自治体の最新情報に従い、ご自身の安全を最優先に判断してください。けがをした場合や緊急時は119番へ連絡してください。本記事は特定の製品の効果を保証するものではありません。

参考にした主な公的情報
- 気象庁「自分で行う災害への備え」 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/ame_chuui/ame_chuui_p10.html
- 内閣府 防災情報のページ「風水害から身を守ろう」 https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h25/71/special_01.html
- 首相官邸「大雨・台風では、どのような災害が起こるのか」 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/taifu_ooame.html