在宅避難の過ごし方と準備は?防災士が教える自宅で乗り切る方法【2026年版】
在宅避難の過ごし方と必要な準備を防災士マモルがやさしく解説。在宅避難とは何か、自宅で過ごせるケースと避難所へ向かうべきケースの判断、水・食料・トイレ・明かり・情報の備え、地震後の安全確認(余震・建物の損傷・ガス漏れ・通電火災)、断水時のトイレや調理・衛生・ごみの工夫、近所や自治体との連絡まで、在宅避難の過ごし方をチェック表で確認できます。
本記事はプロモーションを含みます。備蓄品や簡易トイレ、ランタンなど防災用品の紹介を一部含みます。製品の効果には個人差があり、特定の商品を断定的におすすめするものではありません。
「災害のあと、避難所へ行くべきか、自宅にとどまるべきか」。地震や台風のニュースを見るたびに、こう迷う方は多いと思います。私もそうでした。家族と暮らす自宅をどう守り、どう過ごすかは、防災を考えるうえでとても大きなテーマです。
私は防災士で、小学生と未就園児を育てる親でもあります。在宅避難という言葉を知っても、「実際にどう過ごせばいいのか」「何を準備しておけばいいのか」までは、なかなか具体的に思い描けないものです。だからこそ、ふだんのうちに整理しておきたいと考えてきました。
先に、いちばん大事なことをお伝えします。在宅避難ができるのは、自宅の建物が安全だと確認できる場合に限られます。倒壊や浸水、土砂崩れ、火災の危険があるときは、ためらわず避難所や安全な場所へ移動してください。 自宅にこだわって命を危険にさらしては本末転倒です。安全が前提だという順番だけは、最初に押さえておきたいところです。
この記事では、在宅避難の過ごし方と準備を、チェック表とあわせて整理します。在宅避難とは何か、向くケースと向かないケース、必要な備え、地震後の安全確認、生活の工夫、近所や自治体との連絡まで、正直にお伝えします。読み終えるころには、「自宅で過ごすために、何をどう備え、どう動くか」が自分の言葉で言えるようになっているはずです。
本記事の最新確認日: 2026-06-27。在宅避難の考え方は、内閣府防災「防災情報のページ」、消防庁の家庭の備えに関する情報、日本赤十字社の災害時の生活情報、各自治体の在宅避難・備蓄の案内などの公式情報にもとづいています。物資の配布や支援の内容は地域や状況によって変わるため、お住まいの自治体の最新情報をご確認ください。
在宅避難とは何で、どんな考え方なの?
在宅避難とは、自宅の安全が確認できる場合に、避難所へ行かず自宅で生活を続ける避難の形のことです。安全が確かめられることが前提になります。
災害が起きると「避難=避難所へ行くこと」と思われがちですが、実際には自宅にとどまる選択もあります。建物に大きな損傷がなく、浸水や土砂崩れの危険がない場所であれば、住み慣れた自宅のほうが落ち着いて過ごせることもあるからです。避難所は数に限りがあり、感染症やプライバシーの面で負担を感じる方もいます。
ただし、在宅避難は「自宅が安全であること」を満たして初めて選べる方法です。内閣府防災や自治体も、家屋の安全が確認できる場合の選択肢として在宅避難を位置づけています。私がいつもお伝えしているのは、「在宅避難は、安全を確かめてから選ぶもの」ということです。次の章から、判断の中身と備えを、ひとつずつ見ていきます。
在宅避難に向くケースと、向かないケースは?
在宅避難に向くのは建物の安全が確認できる場合で、向かないのは倒壊・浸水・土砂・火災などの危険があるときです。危険があるなら避難所へ向かってください。
自宅にとどまれるかどうかは、好みではなく安全で決まります。建物が傾いていたり、浸水想定区域や土砂災害警戒区域にあったりする場合は、在宅避難は避けるべき場面です。次の判断表で、自分の状況を確かめてみてください。ひとつでも「向かない」側に当てはまるなら、避難所や親戚宅など安全な場所への移動を優先します。
在宅避難の向く・向かない判断表
| 確認すること | 在宅避難に向く | 避難所などへ向かう |
|---|---|---|
| 建物の損傷 | 傾き・大きなひび・倒壊の恐れがない | 傾き・大きなひび・倒壊の恐れがある |
| 浸水の危険 | 浸水想定区域外、または浸水の恐れがない | 浸水想定区域内で水位が上がる恐れがある |
| 土砂災害の危険 | 土砂災害警戒区域外 | 土砂災害警戒区域内・前兆がある |
| 火災・延焼 | 周囲に火災や延焼の恐れがない | 近くで火災があり延焼の恐れがある |
| ライフライン・健康 | 当面の水・食料・薬などが確保できる | 在宅では命や健康の維持が難しい |
この表で「建物の安全・浸水・土砂・火災のどれかに危険があれば自宅にとどまらない」だけは覚えてください。判断に迷うときや危険を感じるときは、安全な側を選ぶのが基本です。自治体から避難情報が出ている場合は、その指示に従ってください。
在宅避難の準備として、何を備えておけばいいの?
在宅避難の準備では、水・食料・トイレ・明かり・情報の5つを軸に、最低3日分、できれば1週間分を目安に備えます。家族の人数や事情に合わせて整えてください。
ふだんから少しずつ備えておけば、いざというときに慌てずにすみます。次のチェック表は、在宅避難で押さえておきたい備えをまとめたものです。すべてを一度にそろえる必要はなく、買い物のついでに少しずつ足していく形で十分です。日常的に使いながら買い足す「ローリングストック」を意識すると、無理なく続けられます。
在宅避難の準備チェック表
| 分類 | 備えの例 | 目安 |
|---|---|---|
| 水 | 飲料水・調理用水 | 1人1日3リットル、3日〜1週間分 |
| 食料 | 主食・レトルト・缶詰・栄養補助食品 | 3日〜1週間分、調理が簡単なもの |
| トイレ | 携帯トイレ・簡易トイレ・凝固剤 | 1人1日5回程度を日数分 |
| 明かり | ランタン・懐中電灯・予備電池 | 部屋ごと、両手が使えるもの |
| 情報・電源 | 携帯ラジオ・モバイルバッテリー | 充電手段を複数 |
| 衛生 | ウェットティッシュ・マスク・ごみ袋 | 手洗い代替を意識 |
| 暑さ・寒さ | 携帯扇風機・保冷剤・毛布・カイロ | 季節に合わせて |
| 健康・薬 | 常備薬・お薬手帳・救急用品 | 持病があれば多めに |
水は1人1日3リットルが一つの目安とされています。食料は調理に水や火をあまり使わずに食べられるものがあると安心です。簡易トイレや携帯トイレについては、自宅で過ごすうえで欠かせない備えなので、断水時のトイレの工夫を解説した記事もあわせて参考にしてください。
地震のあと、在宅避難を始める前の安全確認は?
地震のあとは、余震・建物の損傷・ガス漏れ・通電火災に注意して安全を確かめてから在宅避難に入ります。少しでも危険を感じたら自宅にとどまらないでください。
揺れがおさまっても、すぐに「自宅で大丈夫」と決めつけないことが大切です。建物や設備に見えないダメージが残っていることがあるからです。私が確認するときに気をつけているのは、次の点です。
まず、建物の傾きや壁・柱のひび、ドアの開閉具合を見ます。傾きや大きなひびがあれば、その場にとどまるのは危険です。次に、ガスのにおいがしないかを確かめます。ガス漏れが疑われるときは、火気を使わず、ブレーカーや電気のスイッチにも触れず、窓を開けて換気し、ガスの元栓を閉めてから安全な場所へ移動してください。
通電火災にも注意が必要です。停電から復旧する際、倒れた電気製品や傷ついた配線に通電して火災が起こることがあります。避難する前や停電中は、ブレーカーを落としておくと通電火災を防ぎやすくなります。これらの確認で一つでも危険を感じたら、自宅にとどまらず避難所や安全な場所へ移ってください。なお、建物の被害が大きい場合の最終的な安全性は、自治体の応急危険度判定など専門家の確認によるところが大きい点も知っておいてください。
在宅避難中、断水したらトイレや調理はどうするの?
断水中は携帯トイレや簡易トイレで対応し、調理はカセットコンロや加熱せず食べられる食品を活用します。水を流すトイレは安全が確認できるまで無理に使わないでください。
地震のあとは排水管が壊れている恐れがあるため、断水していなくても、安全が確認できるまではトイレに水を流さず携帯トイレを使うのが安全です。汚物は凝固剤で固め、口をしばってごみ袋にまとめ、自治体の案内に従って保管・処理します。し尿やごみの収集の取り扱いは地域によって変わるため、お住まいの自治体の災害ごみ・し尿処理の案内を確認してください。
調理は、カセットコンロがあれば温かい食事をとりやすくなります。水が貴重なときは、食器にラップを敷いて使えば洗い物を減らせます。レトルトや缶詰など、そのまま、または温めるだけで食べられるものを中心にすると無理がありません。火を使うときは、ガス漏れがないことを確かめ、換気をしながら使ってください。
在宅避難中の衛生やごみは、どう工夫すればいいの?
断水中は手洗いの代わりにウェットティッシュやアルコール消毒を使い、ごみは分別して口をしばり、においや衛生に配慮して保管します。感染症対策も意識してください。
水が自由に使えないときこそ、衛生を保つ工夫が体調を守ります。手が洗えないときは、ウェットティッシュで汚れをふき取ってからアルコールで消毒すると、ある程度清潔を保ちやすくなります。食事の前やトイレのあとは、こうした手指の衛生をとくに意識してください。
ごみは、生ごみや汚物のにおいがこもりやすいため、口をしっかりしばり、できれば二重にして保管します。収集が止まっているあいだは、直射日光を避けた場所にまとめておきます。マスクの着用や換気など、避難所と同じように感染症への基本的な対策も心がけると安心です。体調をくずしやすい時期なので、無理をしないことを優先してください。
在宅避難中、暑さや寒さ対策はどうすればいいの?
停電で冷暖房が使えないときは、季節に合わせた暑さ・寒さ対策で熱中症や低体温を防ぎます。体調の変化に早めに気づくことが大切です。
夏に停電すると、室内でも熱中症の危険があります。窓を開けて風を通し、携帯扇風機や保冷剤、ぬらしたタオルで体を冷やし、こまめに水分と塩分をとってください。とくに小さなお子さんや高齢の方は体温調節が難しいので、周りが気にかけてあげると安心です。
冬は逆に、暖房が止まると低体温が心配になります。毛布や寝袋を重ね、カイロを活用し、首・手首・足首を温めると熱を逃がしにくくなります。厚着をして空気の層をつくるのも有効です。暑さ・寒さは命にかかわることがあるため、めまいや震え、ぐったりするなどの変化があれば、無理をせず体調回復を最優先にし、必要なら医療機関に相談してください。
在宅避難で困らないために、自治体や近所とどうつながるの?
在宅避難では孤立しないよう、自治体の情報を取りに行き、近所と声をかけ合うことが大切です。物資や支援は自治体ごとに異なるので、最新の案内を確認してください。
自宅にとどまると、避難所にいる人より情報が届きにくくなることがあります。だからこそ、自分から情報を取りに行く姿勢が役立ちます。携帯ラジオや自治体の防災アプリ、公式サイト、SNSなどで、給水所や物資配布の場所、支援の窓口を確認してください。物資の配布や在宅避難者への支援の内容は自治体によって違うため、「うちの地域ではどうか」を最新情報で確かめることが欠かせません。
近所との関係も、在宅避難では心強い支えになります。安否を声で確かめ合ったり、情報を共有したりすることで、孤立を防ぎやすくなります。高齢の方や体の不自由な方が近くにいれば、無理のない範囲で気にかけ合えるとよいですね。体調が悪いときやけがをしたときは、ためらわず119番や医療機関に連絡してください。持病の薬については、自己判断で量を変えず、主治医や薬剤師に相談することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
在宅避難の過ごし方と準備について、私がよく受ける質問にお答えします。
Q. 在宅避難と避難所避難は、どちらを選べばいいですか。
A. 自宅の建物が安全だと確認できる場合は在宅避難という選択があります。倒壊・浸水・土砂・火災の危険があるときは避難所など安全な場所へ向かってください。在宅避難と避難所の違いについては、別の記事でもくわしくふれています。
Q. 在宅避難の準備は、最低どのくらい備えればよいですか。
A. 水・食料・トイレなどを最低3日分、できれば1週間分を目安に備えるとよいとされています。家族の人数や持病の有無に合わせて調整してください。
Q. 断水していなくても、地震のあとはトイレを流さないほうがよいですか。
A. 地震のあとは排水管が壊れている恐れがあるため、安全が確認できるまでは水を流さず、携帯トイレで対応するのが安全とされています。とくに集合住宅では下の階に影響が及ぶことがあります。
Q. 通電火災を防ぐには、どうすればよいですか。
A. 停電中や避難する前にブレーカーを落としておくと、復旧時の通電火災を防ぎやすくなります。倒れた電気製品はコンセントから抜いておくと安心です。
Q. 在宅避難でも、自治体の支援は受けられますか。
A. 在宅避難者向けの給水や物資配布を行う自治体もありますが、内容は地域によって異なります。最新の案内を自治体の公式情報で確認し、必要な支援を受けてください。
まとめ:在宅避難は安全を確かめてから
在宅避難は、自宅の建物が安全だと確認できる場合に選べる過ごし方です。倒壊・浸水・土砂・火災の危険があるときは、ためらわず避難所や安全な場所へ向かってください。安全という前提を満たしたうえで、水・食料・トイレ・明かり・情報を軸に備え、地震後はガス漏れや通電火災に注意して安全を確かめる。この順番を意識すれば、自宅で落ち着いて過ごしやすくなります。
完璧な備えを一度にそろえる必要はありません。今日できる一歩として、水を1本多く買っておく、携帯トイレを試しに用意してみる、ハザードマップで自宅の浸水・土砂の危険を確かめてみる。そんな小さな積み重ねが、いざというときの安心につながります。私も家族と一緒に、少しずつ続けています。
🛡 マモルの備えメモ:まずは「自宅は安全か」を確かめる習慣から始めましょう。ハザードマップで自宅の浸水・土砂の危険を確認し、水・食料・トイレ・明かりを少しずつ備える。それだけで、在宅避難の選択肢がぐっと現実的になります。気になったときに、できることから一つずつ整えていきましょう。
※本記事は防災に関する一般的な情報を、防災士マモルがわかりやすくまとめたものです。災害時の状況は地域や建物、その時々の条件によって大きく異なります。実際の避難判断は、自治体の避難情報や現場の状況を最優先してください。建物の安全性に不安がある場合は専門家や自治体の確認を、体調不良やけがの際は119番や医療機関を、持病の薬については主治医や薬剤師にご相談ください。本記事の内容は将来にわたる安全を保証するものではありません。