🛡防災の備えメモ

ハザードマップの調べ方と見方|自宅の災害リスクを5分で確認する手順【2026年版】

ハザードマップの調べ方と見方を防災士がやさしく解説。国土交通省「重ねるハザードマップ」「わがまちハザードマップ」での調べ方、洪水・土砂災害など種類別の早見表、色の意味、見落としがちな限界まで。自宅・職場・実家の災害リスクを今日確認できます。

「ハザードマップって言葉は聞くけど、自分の家がどうなのか、実はちゃんと見たことがない」。そんな方は、とても多いです。

私は防災士で、二人の子どもを育てる親でもあります。地域の防災イベントでこの質問をすると、半数以上の方が「見方がよくわからない」「どこで手に入るのか知らない」とおっしゃいます。私自身、防災士になる前は、自宅のハザードマップを開いて固まった経験があります。色が塗られた地図を前に「この色は何メートルの意味なの」と戸惑ったのです。

先に結論をお伝えします。ハザードマップは、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で、誰でも無料で、5分あれば自宅のリスクを確認できます。 必要なのはスマホかパソコンと、住所だけです。

この記事では、ハザードマップとは何か、どんな種類があるのか、どこでどう調べるのか、そして地図の色や記号の見方を、早見表とあわせて整理します。あわせて、いちばん大事な「ハザードマップの限界」もお伝えします。読み終えるころには、ご家族と一緒に自宅・職場・実家のリスクを確認できるようになっているはずです。

本記事の最新確認日: 2026-06-27。ハザードマップは災害の被害想定の見直しや浸水想定区域の更新により、内容が変わることがあります。実際に確認する際は、国土交通省ハザードマップポータルサイトと、お住まいの自治体が公開する最新のハザードマップを必ずご確認ください。

ハザードマップとは何を示した地図なの?

ハザードマップとは、洪水や土砂災害などの自然災害について、被害が想定される範囲や程度を地図上に示したものです。「どこが、どの災害で、どのくらい危ないか」を色や記号で表しています。

国や自治体が、過去の災害記録や地形、河川の規模などをもとに作成しています。多くのマップには、浸水が想定される区域とその深さ、土砂災害の危険がある区域に加えて、避難所や避難場所の位置も一緒に載っています。つまり「危ない場所」と「逃げる場所」を、一枚の地図上で確かめられるわけです。

ここで一つ、大切な前提があります。ハザードマップが示しているのは、あくまで「想定」だということです。「ここまでは浸水するかもしれない」という予測であって、「ここから先は絶対に安全」という保証ではありません。この点は後ほど、限界の章で詳しくお伝えします。

私がいつもお願いしているのは、「災害が起きてから見る地図」ではなく「平常時に家族で見ておく地図」として使ってほしい、ということです。雨が強まってから慌てて開くのでは、判断が遅れてしまいます。

ハザードマップにはどんな種類があるの?

ハザードマップは一種類ではありません。災害の種類ごとに別々のマップがあり、自宅の場所によって関係するものが変わります。代表的なものを早見表で整理します。

ハザードマップ 種類別早見表

種類 想定している災害 主に確認したい人
洪水ハザードマップ 河川の氾濫による浸水 川の近く・低い土地に住む人
内水(ないすい)ハザードマップ 大雨で排水が追いつかず起こる浸水 市街地・下水道沿いに住む人
高潮ハザードマップ 台風などによる海面上昇での浸水 沿岸部・河口付近に住む人
津波ハザードマップ 地震に伴う津波の浸水 海沿い・低い沿岸部に住む人
土砂災害ハザードマップ がけ崩れ・土石流・地すべり 山・がけ・傾斜地の近くに住む人
地震(揺れやすさ)マップ 地震時の揺れの大きさ すべての人
液状化ハザードマップ 地震時の地盤の液状化 埋立地・川沿い・砂地に住む人

この表を見て「自分にはどれが関係するんだろう」と思った方は、まず全部を一度確認してみてください。川からも海からも遠いから水害は関係ない、と思っていた方が、内水ハザードマップで自宅が浸水想定区域に入っていて驚く、というのはよくあります。

私の家は内陸ですが、近くに小さな川があり、内水と洪水の両方を確認しています。「うちは大丈夫」と決めつけず、種類ごとに見ておくのが安心への近道です。

ハザードマップはどこで調べられるの?

ハザードマップは、おもに3つの方法で調べられます。いちばん手軽なのは、国土交通省のウェブサイトです。

  • 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」: パソコン・スマホからアクセスできる無料サイト。後述する「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」の2つが使えます
  • 自治体のウェブサイト: お住まいの市区町村の防災ページに、地域のハザードマップが公開されています
  • 自治体の窓口での配布: 役所の防災担当窓口で、紙のハザードマップを配布していることが多いです。冊子で全戸に配られている地域もあります

迷ったら、まず国土交通省のポータルサイト( https://disaportal.gsi.go.jp/ )を開いてみてください。全国どこの住所でも、同じ操作で確認できます。紙の地図をなくしてしまった方や、引っ越したばかりで手元にない方にも便利です。

「重ねるハザードマップ」の使い方は?

「重ねるハザードマップ」は、洪水・土砂災害・津波などの災害リスクを、全国共通の一枚の地図に重ねて表示できるサービスです。住所を入れるだけで、その場所のリスクをまとめて確認できます。

使い方はシンプルです。

  1. ハザードマップポータルサイトを開き、「重ねるハザードマップ」を選ぶ
  2. 検索窓に自宅の住所を入力する
  3. 確認したい災害(洪水、土砂災害、高潮、津波など)を選んで重ねて表示する
  4. 自宅の位置に色がついているか、ついているなら何の災害か、どのくらいの深さかを見る

複数の災害を同時に重ねられるのが、このサービスの便利なところです。「洪水では浸水するけれど、土砂災害の区域ではない」といった組み合わせが、一目でわかります。指定緊急避難場所の位置も表示できるので、「危ない場所」と「逃げる場所」を同じ地図上で確かめられます。

スマホでも操作できるので、家族で集まったときに、その場でみんなの実家や職場を確認してみるのもおすすめです。

「わがまちハザードマップ」とは何が違うの?

「わがまちハザードマップ」は、お住まいの市区町村が作成したハザードマップを検索して見られるサービスです。重ねるハザードマップが全国共通の地図なのに対し、こちらは自治体ごとの詳しい情報にたどり着けます。

役割を整理すると、こうなります。

  • 重ねるハザードマップ: 全国共通の地図に、災害リスクを自分で重ねて見る。まず全体像をつかむのに向く
  • わがまちハザードマップ: 市区町村が作った地域専用のマップを探す。避難所の細かい情報や、地域独自の注意点まで載っていることが多い

両方を使い分けるのが理想です。まず重ねるハザードマップで自宅周辺のリスクをざっくりつかみ、次にわがまちハザードマップで自治体の正式なマップを確認する。この二段構えで、見落としが減ります。

自治体のマップには、その地域で過去に起きた災害の記録や、地域ごとの避難の呼びかけが書かれていることもあります。お住まいの市区町村ならではの情報は、わがまちハザードマップ経由で確認してください。

ハザードマップの色の意味は?どう見ればいいの?

ハザードマップの色は、おもに浸水の深さや危険度の高さを表しています。一般的に、色が濃くなるほど危険度が高く、浸水が深いことを意味します。

水害のハザードマップでは、浸水の深さを色の濃淡で段階分けしているものが多いです。たとえば、薄い色は床下程度の浸水、濃い色になるほど床上から2階以上に達する深さ、というように示されます。具体的な色分けと数値はマップごとに違うので、必ず地図に添えられた凡例(はんれい)を確認してください。凡例は「この色は何メートル」を説明している部分です。

土砂災害のマップでは、色が「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」と「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」を区別していることがあります。レッドゾーンは、建物が壊れるおそれがあるほど危険度が高い区域です。

見方のポイントを整理します。

  • 凡例を最初に読む(色が何を意味するかを確かめる)
  • 自宅・職場・実家・子どもの学校に、それぞれ色がついているか見る
  • 色がついている場合、何の災害で、どのくらいの深さ・危険度かを確かめる
  • 避難所と、そこまでの避難経路を地図上で確認する

ここで一つ注意です。色が薄いから、あるいは色が塗られていないからといって、「絶対に安全」というわけではありません。 この点は次の章で、いちばん大切なこととしてお伝えします。

ハザードマップで自宅以外も見ておくべき?

はい。自宅だけでなく、職場・実家・子どもの通学路や学校など、自分や家族が長く過ごす場所も確認しておくことを強くおすすめします。災害は、家にいるときだけに起きるとは限らないからです。

私が地域でお伝えしているのは、「家族それぞれの一日を地図上でたどる」という確認の仕方です。

  • 自分の通勤先・通学先は浸水想定区域か、土砂災害警戒区域か
  • 子どもの学校や、その通学路に危険な場所はないか
  • 高齢の親が住む実家のリスクはどうか。逃げ遅れやすくないか
  • 避難経路として考えている道が、そもそも浸水しやすい場所を通っていないか

避難経路の確認は、見落とされがちですが大切です。避難所が安全でも、そこへ向かう途中の道が川沿いや低い土地だと、移動中に危険にあう可能性があります。地図上で「安全な道を通って避難所まで行けるか」まで確かめておいてください。

これらを一度家族で共有しておくと、いざというとき「どこで落ち合うか」「誰がどこへ逃げるか」の判断が早くなります。

ハザードマップの限界は?色がなければ安全なの?

ここがこの記事でいちばんお伝えしたい点です。ハザードマップはとても役立つ資料ですが、限界があります。色が塗られていない場所で災害が起きないという意味では、決してありません。

理由を整理します。

第一に、ハザードマップは「想定」にもとづいています。たとえば洪水のマップは、ある規模の雨を前提に作られています。その想定を超える雨が降れば、色がついていない場所でも浸水することがあります。近年、これまでの想定を上回る大雨が各地で起きているのは、ニュースでご存じのとおりです。

第二に、すべての危険が地図に反映されているとは限りません。小さな水路のあふれや、局地的なゲリラ豪雨による浸水など、マップに描ききれない災害もあります。

第三に、ハザードマップは更新されます。被害想定の見直しで、これまで色がついていなかった場所が、新しいマップでは浸水想定区域に変わることもあります。だからこそ、最新のものを確認することが大切です。

私がいつもお伝えしているのは、「色がついていたら警戒、ついていなくても油断しない」という姿勢です。ハザードマップは危険を知るための大切な手がかりですが、「これさえ見れば安心」という万能のものではありません。地図を確認したうえで、雨の降り方や周りの様子に「いつもと違う」と感じたら、想定にとらわれず早めに行動してください。

内部リンク(公開時に接続): 警戒レベルと避難のタイミングは 、水害に備えたハザードマップの使い方は でくわしく解説します。

ハザードマップはいつ・どのくらいの頻度で見直すの?

ハザードマップは、引っ越したときと、お住まいの自治体がマップを更新したときに、改めて確認するのがおすすめです。一度見て終わりにせず、定期的に最新のものを開く習慣をつけてください。

確認のきっかけになるタイミングを挙げます。

  • 引っ越し・転居をしたとき(新しい住所のリスクを必ず確認)
  • 自治体からハザードマップの改訂・配布の知らせがあったとき
  • 大きな水害や地震が各地で起きて、防災を見直したくなったとき
  • 年に一度、防災の日(9月1日)などを目安にした定期点検として

ハザードマップは、河川の整備や被害想定の見直しによって内容が変わります。お住まいの自治体や国土交通省のサイトで、いつも最新版を確認してください。古い紙のマップだけを頼りにしていると、更新された危険情報を見逃すことがあります。

よくある質問(FAQ)

Q. ハザードマップはどこで手に入りますか。
A. 国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」( https://disaportal.gsi.go.jp/ )で、全国どこの住所でも無料で確認できます。お住まいの市区町村のウェブサイトや、役所の防災担当窓口での紙の配布でも入手できます。まずはポータルサイトで自宅住所を検索してみてください。

Q. ハザードマップで色が塗られていなければ、その場所は安全ですか。
A. いいえ。色が塗られていない場所でも災害が起きることはあります。ハザードマップは想定にもとづくもので、想定を超える雨や、地図に描ききれない局地的な災害もあります。「色がなければ絶対安全」とは考えず、当日の状況に応じて早めに行動してください。

Q. 重ねるハザードマップとわがまちハザードマップの違いは何ですか。
A. 重ねるハザードマップは、全国共通の一枚の地図に災害リスクを重ねて表示するサービスです。わがまちハザードマップは、お住まいの市区町村が作成した地域専用のマップを検索して見るサービスです。まず重ねるハザードマップで全体像をつかみ、次にわがまちハザードマップで自治体の正式なマップを確認するのがおすすめです。

Q. ハザードマップの色は何を表していますか。
A. おもに浸水の深さや危険度を表しています。一般的に色が濃いほど浸水が深く、危険度が高いことを示します。具体的な色分けと数値はマップごとに違うため、地図に添えられた凡例を必ず確認してください。土砂災害のマップでは、警戒区域と特別警戒区域を色で区別していることもあります。

Q. ハザードマップはどのくらいの頻度で確認すればよいですか。
A. 引っ越したときと、自治体がマップを更新したときには必ず確認してください。あわせて、年に一度、防災の日などを目安に定期的に最新版を見直すのがおすすめです。ハザードマップは被害想定の見直しで内容が変わるため、古いものだけに頼らず最新のものを確認することが大切です。

まとめ|まず5分、自宅の住所で確認することから

最後に、大事なことだけ繰り返します。

  • ハザードマップは、災害の被害想定を地図上に示したもの。国土交通省のポータルサイトで無料・5分で確認できる
  • 種類は洪水・内水・高潮・津波・土砂災害・地震・液状化など。自宅に関係するものを一通り見る
  • 自宅だけでなく、職場・実家・通学路・避難経路も確認する
  • 色は浸水深や危険度を表す。凡例を最初に読む
  • 色がない場所でも災害は起こり得る。想定を超えることがあると忘れない
  • マップは更新される。最新版を自治体・国土交通省で確認する

ハザードマップは、あなたとご家族の命を守るための大切な手がかりです。今日、自宅の住所で一度開いてみてください。家族で一緒に見ておくだけで、いざというときの一歩がぐっと早くなります。


🛡 マモルの備えメモ

私が地域でお配りしている「わが家の避難チェックリスト」を、LINEで無料配布しています。ハザードマップで確認した自宅のリスク、避難先、避難経路、家族の連絡方法を、一枚で整理できるものです。「地図を見たけれど、何をメモすればいいかわからない」という方にも使いやすいよう作りました。気になる方は、LINEから「チェックリスト」とメッセージを送ってください。雨が降る前の、落ち着いた今のうちに、いっしょに備えていきましょう。

※本記事は2026-06-27時点の公開情報をもとに、防災士マモルが執筆しました。ハザードマップの内容や浸水想定区域は、被害想定の見直しにより更新されることがあります。実際の確認・避難の判断は、国土交通省ハザードマップポータルサイトと、お住まいの自治体が発表する最新情報にもとづいて行ってください。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の場所の安全を保証するものではありません。

出典(一次情報)

  • 国土交通省「ハザードマップポータルサイト(重ねるハザードマップ・わがまちハザードマップ)」 https://disaportal.gsi.go.jp/
  • 国土交通省「ハザードマップポータルサイトを活用して災害に備えよう(報道発表資料)」 https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo06_hh_000319.html
  • 内閣府(防災担当)「ハザードマップ・防災マップ」 https://www.bousai.go.jp/
  • 気象庁「キキクル(危険度分布)」 https://www.jma.go.jp/bosai/risk/