家族の安否確認|災害用伝言ダイヤル171の使い方と複数手段の備え
災害で電話がつながりにくくなる前に。171の録音・再生手順、web171、SNS、遠方の親戚中継など複数の連絡手段と、家族で事前に決めておくことを防災士が解説します。
地震や豪雨のニュースが流れた瞬間、まず頭をよぎるのは「家族は無事だろうか」ということではないでしょうか。私自身、防災士として活動しながら二人の子どもを育てていて、子どもが学校、私が外出先、というバラバラの時間帯に大きな揺れがきたら、と何度も想像してきました。
そこで多くの人が手に取るのがスマートフォンです。ところが災害時は、電話が思うようにつながらないことがあります。回線が混み合い、つながりにくい状態が続く前提で、私は複数の連絡手段を家族と決めてきました。この記事では、災害用伝言ダイヤル「171」の使い方を中心に、家族の安否確認をどう準備すればいいのかを、私の言葉でまとめます。
この記事の内容は2026-06-27時点で公的情報を確認したものです。171やweb171の運用や提供条件は変わることがあるため、最新の情報はNTT東日本・NTT西日本や各携帯電話会社、総務省の案内でご確認ください。
災害時はなぜ家族と連絡が取りにくくなるのでしょうか?
大きな災害が起きると、多くの人が同時に電話をかけるため、回線が混み合って通話がつながりにくくなることがあります。
総務省は、災害発生直後は安否確認や見舞いの電話が集中し、電話がつながりにくい状況が起こりうると説明しています。緊急の通報を確保するために、通信会社が一般の通話を制限する「通信規制」がかかる場合もあります。
ここで覚えておきたいのは、つながりにくくなるのは音声通話が中心だという点です。文字でやり取りするサービスは、音声通話に比べて比較的つながりやすい傾向があるとされています。だからこそ「電話一本だけに頼らない」備えが大切になります。私は家族には「電話がダメでも慌てない。次はこれ、と決めてあるから大丈夫」と伝えています。
- 音声通話は混雑でつながりにくくなりやすい
- 災害用伝言サービスや文字でのやり取りは比較的届きやすいとされる
- 一つの手段がダメでも、別の手段に切り替えられるよう複数を用意しておく
災害用伝言ダイヤル「171」とはどんなサービスでしょうか?
171は、災害時に音声で伝言を録音・再生できる、NTT東日本・NTT西日本が提供する声の伝言板です。
大きな災害が発生した際に運用が開始されます。被災地の人が自分の電話番号をキーにして安否のメッセージを録音し、離れた場所にいる家族がその番号を入力して再生する、という仕組みです。電話番号さえ共有しておけば、直接つながらなくても声で状況を残せるのが特徴です。
NTT東日本・NTT西日本によると、利用できるのは固定電話やスマートフォン、携帯電話などからで、伝言は一定時間・一定件数まで保存されます。録音・再生の際の通話料などの提供条件は災害の状況によって案内されるため、利用時の音声ガイダンスに従うのが確実です。私は家族の携帯番号を紙のメモにも控えていて、スマホが使えない場合に備えています。
災害用伝言ダイヤル171の使い方の手順は?
171は「171」にダイヤルした後、音声ガイダンスに従って番号を押していくだけで使えます。録音と再生の基本の流れを表にまとめます。
| 操作 | 押す番号と入力 | 内容 |
|---|---|---|
| 録音する | 171 → 1 → 自分(被災地側)の電話番号 | ガイダンスの後に30秒程度の伝言を録音 |
| 再生する | 171 → 2 → 安否を確認したい相手の電話番号 | 録音された伝言を聞く |
| 暗証番号を使う場合 | 171 → 3(録音)/4(再生) → 電話番号 | 4桁の暗証番号で伝言を限定して残せる |
ポイントは「どの電話番号をキーにするか」を家族で先に決めておくことです。たとえば自宅の固定電話の番号、あるいは父親の携帯番号、と決めておけば、全員が同じ番号で録音・再生できます。番号がバラバラだと、せっかく録音しても家族が見つけられないことがあります。
実際の運用時は音声ガイダンスが丁寧に手順を案内してくれます。慌てていても、ガイダンスを最後まで聞けば操作できるよう作られています。とはいえ初めて聞くと戸惑うので、後で触れる体験利用日に一度練習しておくと安心です。
災害用伝言板「web171」やスマホでの安否確認方法は?
web171は、文字で安否情報を登録・確認できるインターネット版の伝言板です。携帯電話会社も同様のサービスを提供しています。
NTT東日本・NTT西日本のweb171は、パソコンやスマートフォンから電話番号をキーにして安否メッセージを文字で登録でき、家族がその番号で検索して読めます。音声の171と電話番号で連携できる仕組みもあり、声と文字の両方で残せるのが心強いところです。
携帯電話会社各社も「災害用伝言板」を用意しています。NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなどが提供しており、各社の専用サイトやアプリから安否を登録できます。一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA)も、これら171・web171・携帯各社の伝言板をまとめて案内しています。
文字で残すメリットは、音声通話がつながりにくい状況でも届きやすいとされる点です。私は家族には「電話がつながらなかったら、web171か携帯会社の伝言板に文字で書いておいて」と頼んでいます。文字なら後から落ち着いて読み返せるのも利点です。
LINEやXなどのSNS、メールは安否確認に使えるでしょうか?
SNSやメールは、音声通話に比べて比較的つながりやすいとされ、安否確認の有力な手段になります。
LINEやX(旧Twitter)などのメッセージは、少ないデータ量でやり取りできるため、回線が混雑していても届くことがあります。LINEには家族のグループを作っておけば、一斉に「無事」と伝えられます。Xは個別連絡には向きませんが、地域の状況を知る手段として使う人もいます。メールも、送信が遅れても後から届くことがあります。
ただし、これらが「必ずつながる」わけではありません。通信状況は災害の規模や場所によって大きく変わります。スマホの充電が切れれば使えませんし、基地局が被災すれば圏外になることもあります。だからこそ、SNSも171もweb171も、どれか一つに賭けるのではなく、複数を組み合わせて用意しておくことが大切だと私は考えています。
- LINEのグループは家族用を事前に作っておく
- 既読や返信が来なくても、別の手段で確認を続ける
- スマホの予備バッテリーやモバイルバッテリーも一緒に備える
遠方の親戚を「中継点」にするとなぜ安否確認しやすいのでしょうか?
被災地内は回線が混みやすい一方、被災地と離れた地域との通話は比較的つながりやすいことがあるためです。
大きな災害では、被災地の中で電話をかけ合うと混雑しやすくなります。そこで、被災していない遠方の親戚や知人を「連絡の集約役」と決めておく方法があります。家族それぞれが、その遠方の人に自分の無事を伝え、遠方の人が全員の状況をとりまとめて家族に共有する、という流れです。
たとえば私の家では、別の地方に住む親に「災害のときはみんなあなたに連絡するから、まとめて教え合ってね」とお願いしています。一人ひとりが家族全員に電話するより、回線への負担も減り、情報も集まりやすくなります。中継役の連絡先は、家族全員が紙でも持っておくと確実です。
家族で事前に決めておくべきことは何でしょうか?
集合場所、連絡手段の優先順位、誰がどこに連絡するかを、災害が起きる前に家族で話し合って決めておくことです。
どんなに便利なサービスがあっても、当日になって「どうやって連絡しよう」と考え始めるのでは間に合いません。私が家族会議で決めているのは、次のような項目です。
- 安否確認のキーにする電話番号(誰の番号を171・web171の入力に使うか)
- 連絡手段の優先順位(例:まずLINEグループ、ダメなら171、それも難しければ遠方の親戚経由)
- 集合場所と避難先(自宅が危険なときに目指す場所を複数)
- 誰がどこに連絡するか(子どもの迎えは誰が、職場との連絡は誰が、など役割分担)
- 連絡先メモ(家族と中継役の番号を紙に書いて全員が携帯する)
避難先や避難経路をどう決めるかは、別記事のもあわせて参考にしてください。小さな子どもがいる家庭の持ち物はでまとめています。
学校や職場にも、災害時の引き取りルールや連絡方法のルールがあります。子どもの学校が「保護者が直接迎えに来るまで学校で待機」なのか、職場が「安否報告システムへの登録」を求めるのか、私は年度初めに必ず確認するようにしています。家庭のルールと、学校・職場のルールがかみ合っていないと、当日に動きが食い違ってしまうからです。
体験利用日に練習しておくとよいのはなぜでしょうか?
実際に171やweb171を触っておくと、本番で慌てずに操作でき、家族間の手順のズレにも気づけるためです。
NTT東日本・NTT西日本は、171・web171・携帯各社の伝言板を体験できる日を設けています。具体的には、毎月1日と15日、正月三が日(1月1日〜3日)、防災週間(8月30日〜9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日〜21日)です。この期間は、災害が起きていなくても録音・再生を試せます。
体験利用日に家族で実際にやってみると、「キーにする電話番号がそろっていなかった」「再生のやり方を子どもが覚えていなかった」といったズレが見つかります。私も毎月の体験日にあわせて、子どもと一緒に録音と再生を練習しています。一度でも触っておくと、本番の音声ガイダンスにも落ち着いて従えます。
なお、体験利用日の運用内容や提供条件は変わることがあります。利用前に、その時点のNTT東日本・NTT西日本や各携帯電話会社、総務省の案内で最新の情報を確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 災害用伝言ダイヤル171はいつ使えますか。
A. 大きな災害が発生した際にNTT東日本・NTT西日本が運用を開始します。加えて、毎月1日・15日、正月三が日、防災週間、防災とボランティア週間の体験利用日にも練習として使えます。運用の有無や条件は変わることがあるため、利用時のガイダンスや公式案内を確認してください。
Q. 171を使うとき、どの電話番号を入力すればいいですか。
A. 安否確認のキーにする電話番号を、家族で事前に一つ決めておくのが基本です。被災地側の人がその番号で録音し、離れた家族が同じ番号で再生します。番号がそろっていないと伝言を見つけられないことがあるので、紙のメモでも共有しておくと安心です。
Q. 電話もインターネットもつながらないときはどうすればいいですか。
A. 一つの手段に頼らず、複数を順番に試すことが大切です。SNSやメールは比較的届きやすいとされますが、必ずつながるわけではありません。遠方の親戚を中継役にする、時間をおいてかけ直す、といった方法も組み合わせてください。緊急で救助が必要な場合は119番や110番に連絡します。
Q. SNSがあれば171やweb171は不要ですか。
A. どちらかだけに絞るのはおすすめしません。通信状況は災害の規模や場所で大きく変わり、SNSが使えない場面もありえます。171・web171・SNS・遠方の中継役など、複数の手段を用意しておくほうが、どれかが使えなくなっても連絡を取りやすくなります。
Q. 子どもにも171の使い方を教えておくべきですか。
A. はい、できる範囲で練習しておくとよいと私は考えています。体験利用日に親子で録音と再生を試しておけば、本番で子どもが一人のときでも操作しやすくなります。あわせて、家族の連絡先を書いた紙を持たせておくと、スマホが使えない状況でも役立ちます。
私は防災士として、家族の安否確認は「どれか一つの完璧な方法」を探すより、「いくつかの手段を決めて、一度練習しておく」ことのほうがずっと心強いと感じています。171の番号をキーにする人を決める、LINEのグループを作る、遠方の親戚にお願いしておく。どれも今日のうちにできることばかりです。次の体験利用日に、ご家族で一度試してみてください。
🛡 マモルの備えメモ
連絡手段は一つに絞らず、171・web171・SNS・遠方の中継役を組み合わせて。安否確認のキーにする電話番号を家族で決め、紙のメモにも控えておきましょう。そして毎月1日・15日などの体験利用日に、ご家族で録音と再生を一度練習しておくこと。この小さな一歩が、いざというときの落ち着きにつながります。
免責:本記事は2026-06-27時点で確認した公的情報をもとに、一般的な備えの考え方を防災士の視点でまとめたものです。171・web171や携帯各社の伝言板の運用・提供条件は変わることがあります。実際の利用にあたっては、NTT東日本・NTT西日本、各携帯電話会社、総務省、内閣府防災などの最新の案内を必ずご確認ください。生命に関わる緊急時は119番・110番に連絡してください。