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家族向け防災セット4人の選び方|防災士が中身と分担を解説

家族4人分の防災セットの選び方を防災士が中立に解説。人数分の水と食料、家族で分担して背負える重さ、子どもや乳児がいる家庭の追加品、一次持ち出しと在宅備蓄の分け方まで、構成別チェック表つきで紹介します。

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「家族4人分の防災セット、何をどう選べばいいのか分からない」。私のもとには、そんな相談がよく届きます。一人暮らし用のセットなら市販品を1つ買えば済みますが、家族となると人数分の水や食料が要りますし、子どもや高齢の親がいれば中身も変わってきます。

私は防災士として活動しながら、二人の子どもを育てています。我が家でも、子どもが乳児だったころと小学生になった今とでは、備えの中身が大きく変わりました。この記事では、家族向けの防災セットを選ぶときに見ておきたい観点を、特定の商品をすすめるのではなく、中立の立場で整理してお伝えします。

最新確認日は2026-06-27です。製品の価格や仕様は変わるため、購入前には最新の情報を各販売ページで確認してください。

家族向けの防災セットは1人用と何が違うのでしょうか?

いちばんの違いは、人数分の水と食料が必要になる点と、家族で重さを分けて背負う前提になる点です。

1人用のセットは、1つのリュックに必要なものがコンパクトにまとまっています。これを4人分そろえる、と考えるのが基本ですが、ただ4倍にすればよいわけではありません。年齢や持病、家族の役割によって、入れるべきものが一人ひとり違ってくるからです。

内閣府の防災情報ページでも、備蓄は家族構成に応じて見直すことがすすめられています。赤ちゃんがいる家庭、持病のある人がいる家庭、高齢者がいる家庭では、それぞれ専用の品目が加わります。「家族用」と書かれた市販セットを買えばそれで万全、とは限らない、という前提を最初に押さえておきたいところです。

中身や必要量は家族構成で変わります。この記事で紹介する観点を参考に、ご自身の家庭に合わせて足し引きしてください。

家族4人分だと水と食料はどれくらい必要でしょうか?

目安として、1人1日3リットルの水を最低3日分、できれば1週間分。食料も同じ日数分が必要とされています。

首相官邸の防災ページや消防庁の案内では、飲料水は1人1日3リットルを目安に、最低3日分から1週間分の家庭備蓄がすすめられています。4人家族で3日分なら、水だけで36リットルです。これを持ち出し用のリュックにすべて詰めるのは現実的ではありません。

ここで効いてくるのが、後ほど説明する「一次持ち出し」と「在宅備蓄」の分け方です。すぐ持って逃げる分と、家に置いておく分を分けて考えると、リュックが重くなりすぎる問題を避けられます。食料は、加熱せずに食べられるものや、お湯や水で戻せるものを中心にそろえると、停電やガスが止まった状況でも対応しやすくなります。

家族の好き嫌いやアレルギーも忘れずに。非常時に食べ慣れないものばかりだと、特に小さな子どもは口をつけてくれないことがあります。

防災リュックは大きいもの1つにまとめるべきでしょうか?

いいえ、1つの大きなリュックにすべてを詰めるより、家族それぞれが背負える重さに分けて持つことをおすすめします。

家族4人分を1つのリュックにまとめると、20キロを軽く超えてしまうことがあります。その重さを誰か一人が背負って避難するのは、現実的ではありません。階段を下りたり、がれきや浸水のなかを歩いたりする場面では、重すぎる荷物はかえって危険です。

私がおすすめしているのは、大人が背負う重さの目安を体重の3割ほどまでにとどめ、子どもには子ども自身の着替えやおやつ、小さな水筒など、無理なく背負える軽い荷物を持たせる分担です。両手は空けておきたいので、手提げではなくリュック型を選びます。

水や食料といった重いものは複数の人に振り分けます。万が一、家族が離れ離れになっても、それぞれの荷物だけである程度しのげるように、最低限の水・食料・常備薬は一人ひとりのリュックに分散させておくと安心です。

家族構成別の中身と分担のチェック表

家族構成によって、足すべきものと分担の考え方が変わります。下の表を、ご自身の家庭に近い行から確認してください。

家族構成 市販セットに足したいもの 分担の考え方
夫婦のみ(4人想定は親族含む) 常備薬、眼鏡やコンタクト、現金、連絡先メモ 水と食料を2人で半分ずつ。重いものを偏らせない
乳児がいる家庭 おむつ、お尻ふき、粉または液体ミルク、哺乳びん、母子手帳 大人がミルクと水を多めに。抱っこを想定し荷物は最小限
未就学児がいる家庭 子ども用の食料、着替え、お気に入りのおもちゃ、おやつ 子どもには自分の着替えとおやつだけ。残りは大人へ
小学生以上の子がいる家庭 子ども用の防寒具、軽い水筒、簡易な笛 子ども自身に軽いリュックを背負わせ歩行に慣れさせる
高齢の家族がいる家庭 常備薬、お薬手帳、予備の眼鏡、入れ歯ケア用品 高齢者の荷物は軽く。薬と連絡先は他の人にも分散

おむつや薬の量、ミルクの種類は、家庭ごとに正解が違います。あくまで出発点として使ってください。

子どもや高齢者がいる家庭で追加すべきものは何でしょうか?

おむつや薬など、その人がいないと生活が成り立たないものを、人数分そろえて加えることです。

乳児がいる家庭では、おむつとお尻ふきが最優先です。ミルクは粉でも液体でも構いませんが、液体タイプは調乳の手間が省ける一方で価格や入手性が異なります。哺乳びんや、消毒が難しい状況に備えた使い捨ての授乳用品もあると安心です。母子手帳は、避難先での健康確認に役立つので忘れずに。なお、乳児のミルクの選び方や量については医師に相談してください。詳しくは別記事でも扱う予定です。

高齢の家族がいる場合は、お薬手帳と常備薬が欠かせません。予備の眼鏡、入れ歯のケア用品、補聴器の電池なども、その人にとっては生活必需品です。歩行に不安がある家族がいるなら、避難経路に段差が少ないルートをあらかじめ確認しておくことも、備えの一部だと私は考えています。

薬については大切な注意があります。常備薬の量や内容は、自己判断ではなく主治医や薬剤師に相談して決めてください。災害時にすぐ手に入らない薬もあるため、どれくらい予備を持つべきかは専門家の助言が確実です。

市販の家族用セットに足すべき個人の必需品は何でしょうか?

常備薬、眼鏡やコンタクト、現金、家族の連絡先メモといった、その人専用のものです。

市販の家族用セットは、水や食料、簡易トイレ、ライトなど、共通して必要なものをそろえてくれています。便利な反面、一人ひとりの事情までは入っていません。ここを自分で足すことで、はじめて家族に合った備えになります。

特に見落としやすいのが現金です。停電すると電子決済や現金自動預け払い機が使えなくなることがあり、小銭を含めた現金が頼りになります。公衆電話を使う場面に備えて、十円玉や百円玉も少し入れておくとよいでしょう。

連絡先メモも大切です。スマートフォンの電池が切れると、登録した番号が分からなくなります。家族や親族、勤務先、学校の連絡先を紙に書いて、それぞれのリュックに入れておきます。災害用伝言ダイヤルの使い方も、家族で共有しておくと落ち着いて行動できます。眼鏡やコンタクトの予備も、それがないと動けない人にとっては命綱です。

一次持ち出しと在宅備蓄はどう分けて考えればよいでしょうか?

すぐ持って逃げる「一次持ち出し」と、家にとどまる在宅避難に使う「二次備蓄」を、別々に用意する考え方です。

一次持ち出しは、避難所などへすぐ移動するときに背負って出る最低限の荷物です。1日から数日をしのぐ分の水、食料、ライト、常備薬、現金、連絡先などを、背負える重さにまとめます。ここを軽くしておくことが、安全な避難につながります。

二次備蓄は、自宅が無事なときに在宅避難で使う分です。内閣府も、ライフラインが止まった状況に備えて家庭で1週間分程度の備蓄をすすめています。水36リットルや数日分以上の食料、カセットコンロ、簡易トイレなどは、この二次備蓄として家に置いておきます。すべてをリュックに詰めようとすると重さに無理が出るので、外に持ち出す分と家に残す分を分けるのが現実的です。

我が家では、玄関に一次持ち出しのリュックを、収納に二次備蓄の箱を置いています。リュックの中身は意識して軽くし、足りない量は家の備蓄でまかなう、という割り切りです。

防災セットは買ったあと、どう管理すればよいでしょうか?

半年に一度を目安に点検し、食料や水の期限、子どもの成長に合わせて中身を入れ替えることです。

防災セットは、買って置いておけば終わりではありません。食料や水には期限があり、電池も少しずつ消耗します。期限が切れたものを非常時に開けてがっかりしないよう、定期的な見直しが欠かせません。

私は、季節の変わり目など、年に2回を点検の目安にしています。防災の日がある9月と、年度の変わる3月あたりに決めておくと忘れにくいです。点検では、水と食料の期限、電池や予備電源の残量、衣類のサイズが合っているかを確認します。子どもは半年でも体が大きくなるため、着替えやおむつのサイズは特に要注意です。

入れ替えた食料や水は、普段の食事で消費すれば無駄になりません。古いものから使い、使った分を買い足していく回し方なら、いつも新しい備蓄を保てます。

防災セットはどこに置いておけばよいでしょうか?

一次持ち出しのリュックは玄関など出口の近くに、在宅用の備蓄は普段使う収納に分けて置くことをおすすめします。

避難するときにリュックを取りに奥の部屋へ戻るのは、時間も危険も増えます。すぐ持ち出すものは玄関やその近くに置き、暗い中でも手探りで届く場所にまとめておきます。家族の人数分のリュックがあるなら、それぞれが自分の分をすぐ取れる配置にしておくと、いざというときに迷いません。

一方、在宅備蓄の水や食料は、重さもかさもあるので、台所近くの収納や押し入れなど、日常で出し入れしやすい場所が向いています。一か所にまとめず、複数の部屋に分けて置くと、家具が倒れて取り出せなくなる事態にも備えられます。寝室には、夜間の地震に備えて足元を守る靴やライトを置いておくと安心です。

なお、市販の防災セットの中身については、防災リュックの中身で品目ごとに詳しく整理しています。あわせて防災セットのおすすめの記事も、選ぶ際の参考にしてください。

よくある質問

Q. 家族4人なら防災セットは何個買えばよいですか?
A. 人数分の水と食料がそろうことを基準に考えます。市販の家族用セットは4人分の共通品をまとめてくれているものが多いので、それを軸に、一人ひとりの常備薬や眼鏡、子どものおむつなどを個別に足す形がおすすめです。必要な数は家族構成で変わるため、中身を見て判断してください。

Q. 全部入った大きなリュック1つでは駄目ですか?
A. 1つにまとめると重くなりすぎ、避難の妨げになることがあります。大人が背負える重さに分け、子どもにも軽い荷物を持たせて、家族で分担して背負うことをおすすめします。水や食料などの重いものは複数の人に振り分けてください。

Q. 子どもの薬や乳児のミルクはどう備えればよいですか?
A. 常備薬の量や内容は主治医や薬剤師に相談して決めてください。乳児のミルクの選び方や量も医師への相談が確実です。おむつやお尻ふきは普段使っているサイズを、少し多めに用意しておくと安心です。

Q. 現金はいくら入れておけばよいですか?
A. 金額は各家庭の判断になりますが、停電でカードや電子決済が使えない場面に備え、小銭を含めた現金を用意しておくと役立ちます。公衆電話用の十円玉や百円玉も少し入れておくとよいでしょう。

Q. 防災セットの点検はどれくらいの頻度ですればよいですか?
A. 半年に一度を目安にすると無理がありません。水や食料の期限、電池の残量、衣類やおむつのサイズを確認し、古いものから日常で使って買い足す回し方なら、いつも新しい状態を保てます。

家族向けの防災セット選びは、市販品を出発点にしながら、わが家ならではの事情を足していく作業です。すべての家庭に当てはまる唯一の正解は誰にも用意できませんが、人数分の水と食料、背負える重さへの分担、一人ひとりの必需品、この3つを押さえるだけでも、いざというときの安心は大きく変わります。今日できる一歩として、まずは家族の人数と年齢を紙に書き出し、足りないものを一つずつ確認してみてください。

🛡 マモルの備えメモ
家族の防災は、家族の数だけ正解があります。この記事の観点をもとに、ご自身の家庭の中身を一度見直してみてください。気になった項目があれば、関連記事もあわせて読んでみてくださいね。

【免責】本記事は2026-06-27時点の公的機関の情報をもとに、防災の一般的な考え方を整理したものです。製品の効果や安全を保証するものではありません。薬や持病に関する判断は主治医や薬剤師に、乳児のミルクは医師に相談してください。価格や仕様は変わるため、最新の情報は各販売ページや公的機関の公式サイトで確認してください。